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子供の矯正装置ってどんなものがある?

子供の矯正治療には、歯を移動させ歯列を整える2期治療と、顎骨の形や歯の生えるスペースを整える1期治療の、2種類あることをご存じでしょうか。

2期治療に使われる装置は、ほぼ大人の矯正治療に使われる装置と同じもの。

それに対し、1期治療はこの時期ならではの子供用の専用装置が使われます。

 

1期治療は乳歯と永久歯の混在時期に行われる治療で、まだ治療を受ける子供は6~11歳頃までと、幼いです。

そのため、親としては子供が装置を嫌がったり、痛がったりしないかも心配な点でしょう。

そこで今回は、1期治療によく使われる矯正装置にはどのようなものがあるのか、それぞれのメリット・デメリットを交えてご紹介します。

子供の矯正治療に入る前に、装置について正しく理解を深めておきましょう。

1. 子供の矯正装置は大きく3分類される

子供の矯正治療に使われる装置は様々な種類がありますが、大きく分けると次の3つに分類されます。

1-1.可撤式(かてつしき)矯正装置

可撤式矯正装置は、「取り外しが可能」な矯正装置のことです。

子供も自分で取り付け、取り外しができます。

1-1-1.メリット

可撤式矯正装置のメリットは、取り外せば普段と変わらない生活が送れること。

どうしても矯正装置が口の中に入ったままだと、食べづらい、歯磨きしづらいなどの難点がありますが、装置が邪魔になる時には外せばOKです。

 

口内を衛生的に保てますし、話をする際の邪魔にもなりません。

1-1-2.デメリット

デメリットは装置を取り付けなければ、矯正の効果がないという点です。

装置をつけている間にしか矯正はされません。

嫌がるなどを理由に装着時間が短いと、効果が現れるのに時間がかかります。

 

また、取り外しを繰り返していると、装置が壊れたり、紛失したりする可能性もあります。

1-2.固定式矯正装置

固定式矯正装置はその名の通り、口の中に装置が固定されたものです。

自分では取り付けも取り外しができず、歯科医院で取り付けてもらいます。

1-2-1.メリット

固定式矯正装置のメリットは装置をつけている時間が長く、効果が出やすいところです。

子供が勝手に外してしまうということはないので、計画的に治療を進めやすいでしょう。

取り付け忘れの心配もありませんし、紛失することもありません。

1-2-2.デメリット

デメリットはずっと装置が口の中にあるため、食べづらい、話しづらいなど、慣れるまで違和感や痛みがあることも。

口内炎などの原因にもなりやすいですが、自分では取り外しできないので、歯科医院へ行く必要があります。

 

また、装置を付けたままの歯磨きは工夫が必要です。

2.取り外し可能な可撤式矯正装置の種類

2-1.拡大床

顎の骨に対し、生えてくる永久歯が大きいと、デコボコに生え、噛み合わせが悪くなる可能性があります。

このような症状が見られる場合には、永久歯が生えそろう前に顎の骨を広げる治療をします。

その際に使われるのが、拡大床です。

歯の内側に取り付け、顎を広げて歯が並ぶスペースを確保します。

 

ただ、拡大床では歯を移動させることはできません。

しかし、顎を広げておくことで、歯列の矯正(2期治療)が必要になった際に、抜歯の必要なく治療ができる可能性が高くなります。

2-2.マイオブレース

マイオブレースとは、マウスピース型の矯正装置です。

この矯正装置をつけることで、食べ物などの正しい飲み込み方、鼻呼吸、下の使い方を矯正します。

顎の成長不足の原因には、口呼吸や間違った下の使い方などが関係しているからです。

 

マイオブレースは顎の成長を促すという、根本的な治療を目的とするため、歯列が整った後の後戻りが少ないのがメリットです。

2-3.プレオルソ

プレオルソは青色のマウスピース型矯正装置です。

上下一体型なので、上下の歯列を同時に矯正する際に有効な装置です。

 

例えば出っ歯の場合は、下の歯列を後ろに引っ張り矯正してから、上の歯列も正しい位置へ戻します。

また、受け口(反対咬合)の場合は、上の歯列を前へ引き出して矯正します。

 

その他、歯の生えるスペースが狭い場合、外側へゆっくりスペースを広げる治療も可能です。

2-4.インビザラインファースト

インビザラインは大人の治療でもメジャーになってきた、マウスピース型矯正装置です。

“ファースト”は小学生向けという意味。

デコボコの歯列や、歯と歯の間が開いたすきっ歯の矯正に有効です。

 

マイオブレースやプレオルソよりも、歯を個別に1つ1つ確実に動せるので、歯列矯正に最適。

歯のスペース不足の際にも、幅の大きいインビザラインファーストを使って矯正できます。

 

ただ、インビザラインファーストファーストは他のマウスピースよりも、使用推奨時間が16時間程度と長いのがデメリットと言えるでしょう。

しかし、その点、しっかりと歯列矯正が可能です。

 

3.治療がスムーズに進みやすい固定式矯正装置の種類

3-1. 急速拡大装置

急速拡大装置は、上顎の幅が狭く、永久歯が並びきらない場合の治療に有効な矯正装置です。

上顎の中心にある骨と骨のつなぎ目に圧をかけ、骨の成長を促し、横幅を広げます。

常に取り付けている固定式のため、急速に顎を成長させられるのがメリットです。

 

上顎を広げると、鼻腔も広がり、鼻呼吸がしやすくなります。

口呼吸が原因で、歯列や顎に何らかの影響がある場合も、矯正できます。

 

慣れるまでは違和感や痛みが生じることもありますし、数週間に1度、装置の真ん中のねじを調節する必要があります。

歯磨き等も親のサポートが必要です。

 

 

 

3-2.リンガルアーチ

リンガルアーチは受け口の矯正や、前歯が後ろに傾いているなどの場合に使われます。

歯列の内側に装置を取り付け、前歯を前に押し出します。

 

ワイヤーもバンドも装置の全てを歯列の内側に取り付けるので、装置は目立ちにくいです。

ただし、舌が常に装置に触れるので、子供は違和感があるでしょう。

4.まとめ

どの矯正装置を使用するのかは、子供の顎や口内の状態とともに、年齢や性格、生活習慣などを総合的に見て、医師が判断します。

治療に関して不安点や疑問があれば、必ず医師に相談しましょう。

また、矯正治療をスムーズに進めるためには、子供へ「なぜ矯正装置をつける必要があるのか」を説明できるようにしておく必要もあります。

子供の矯正治療の最終ゴールは、永久歯が生え揃った際に、噛み合わせ不良が起こらないことです。

治療期間は大人よりも長いので、装置との付き合いも長くなります。

親も子供も安心して治療に入るために、装置の特徴の把握は必ずしておきましょう。

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