お金も時間もかかる矯正治療。
せっかくなら安心して任せられる歯科医師にお願いしたいですよね。
どんな歯科医師が良いのか、検索して調べたことがあるかもしれませんか?
インターネットで歯科医院を調べていると目にする資格があります。
認定医や臨床指導医と呼ばれる資格です。
見慣れない資格ですが、患者さんにとってどんな意味があるのでしょうか。
まず、矯正治療は歯科医療の一部ですが、これらの資格にはとても大きな意味があります。
当記事では、歯科医師の資格である認定医や臨床指導医、指導医について解説しています。
矯正治療を考えている方は、資格の意味を知ることで医師選びがしやすくなります。
目次
1. 歯科医師の資格があれば矯正治療は行える
歯科医師の資格を持っていれば、どの医師も虫歯治療だけでなく歯列の矯正治療を行うことができます。
つまり、矯正治療に特化した知識が少なくても行うことができるということです。
矯正治療は原則的に保険適用でなく、長期間に渡る治療のため治療費は高額になります。
そして長期間の負担にも関わらず、満足な結果を得られなかったという患者さんがいます。
これは矯正治療そのものが、一般的な虫歯治療とは明らかに異なるというポイントでもあります。
※認定医・臨床指導医の資格を持っていなくても、高い技術を持つ歯科医師もいます。
2. 矯正治療になぜ資格が存在するのか
患者さんが矯正治療を行う際、何を基準に歯科医師を選べば良いのでしょうか。
歯科治療は以前と比べ、治療内容が細分化しており、高度で専門的な知識と技術が求められるようになりました。
これはインプラント・顎関節症・再生歯科など、一般歯科では行いきれないほど治療内容が多様化しているためです。
歯並びを整える矯正歯科もそのひとつとして捉えられており、常に進化する必要があります。
そこで矯正歯科における、医師の技術と経験を認定する基準として設けられた資格が、認定医・臨床指導医なのです。
2-1. 矯正治療を受ける際の判断基準になる
矯正治療を受けたいと思った際に、どんな基準で歯科医院を選ぶべきか迷うことはありませんか。
近所で評判の歯科医院であっても、虫歯治療ではない矯正治療の技術まではわからないことが大半です。
矯正治療は虫歯など一般歯科と比べ、基本的には医療保険が適用されないため治療費は高額になります。
やはり患者さんとしては、確実に技術のある歯科医院を選びたいものです。
これらの資格が発行されたことで、患者さんは歯科医師を選びやすくなったのです。
3. 矯正歯科学会の認定医とは
矯正歯科医としての基本的な資格とされるため、公式な矯正歯科医として矯正治療ができるようになります。
虫歯治療などの一般歯科だけでなく、認定医であるということで一定以上の技術を持つ証ということです。
3-1. 認定医の条件
認定医になるためには、主に以下の条件を満たす必要があります。
①5年以上、日本矯正歯科学会の会員である
②学会の指導医のもとで、5年以上の矯正歯科の研修を修了する
③学会誌に矯正医療に関する論文を発表する
④学会の審査に合格する
4. 矯正歯科学会の臨床指導医とは
認定医を持つ歯科医師の中でも、さらに高度な技術と経験を持つ歯科医師が臨床指導医になります。
日本矯正歯科学会が定める高レベルな規定をクリアしているため、患者さんにとって非常に安心できる資格です。
矯正治療を希望している方は、ホームページを確認するか歯科医院に問い合わせると確認できます。
4-1. 臨床指導医の条件
認定医になるためには、主に以下の条件を満たす必要があります。
①認定医の資格を持っている
②日本矯正歯科学会の会員を7年以上、継続している
③学会誌に臨床に関する報告を発表する
④5年ごとに更新を行い、その際の審査に合格する
上記のように歯科医師免許を取得し、認定医として認められた後に更新ごとの審査に合格しています。
この条件からも分かる通り臨床指導医は多くないため、非常に貴重な存在です。
5. 矯正歯科学会の指導医とは
臨床指導医とは別に、矯正歯科の研修医を指導・監督する教官の資格として指導医という資格があります。
指導医になるためには、大学の矯正歯科で3年以上の教育指導歴が必要とされます。
この資格は歯科医師を指導する資格ですので、患者さんとしてそれほど意識する資格ではありません。
患者さんにとっては、認定医・臨床指導医の方が直接的に関連する資格になります。
指導医の資格は、矯正治療を受ける際の安心材料のひとつとして捉えると良いでしょう。
6. 矯正歯科の専門医院を受診する際の注意点
高度な技術の認定医や、臨床指導医を探して矯正治療を受ける際の注意点があります。
矯正治療を受ける患者さんの中で、技術と知識の豊富な矯正治療の専門医院は非常に注目されます。
矯正の専門であるため、認定医・臨床指導医であることが大半になり、安心して矯正治療を受けることができます。
ただし矯正治療の専門であるために、虫歯や歯周病の一般治療を行なっていない場合があるのです。
ですから矯正治療の前に行う治療があれば、一般歯科へ通うことになるため2箇所の通院になってしまいます。
忙しい社会人であれば面倒に感じますし、距離によっては通院がとても不便です。
但し、一般歯科を併設していたり、一般歯科と提携している場合もあるので事前の問い合わせをおすすめします。
7. 認定医・臨床指導医の違いとポイント「まとめ」
認定医と臨床指導医についてご理解いただけたでしょうか。
これらの資格は、患者さんにとって医師選びの基準になり、とても安心につながる資格です。
このように矯正を行う歯科医師の中でも、公式に認められた認定医・臨床指導医は非常に価値のある資格なのです。
歯科医院のホームページや日本矯正歯科学会のホームページに認定医・臨床指導医の一覧が掲載されているので是非参考にしてみてください。