今回の記事は、矯正に一歩踏み出せない人にぜひ読んで欲しい内容となっています。
テーマは「歯列矯正で気になるメリット・デメリット」。
矯正の実際的な効果やリスク、費用についてなどを解説していきますので、ぜひご一読ください。
目次
(1)矯正を行うメリットとは?
矯正をすると、どのようなメリットを享受できるのでしょうか?
矯正をしようかどうか迷っている方や、興味を持ち始めている方のために、矯正の効果や利点について解説いたします。
- 自分に自信が持てるようになる
歯列矯正に関心のある方の多くは、歯並びにコンプレックスを抱いています。
口元が前に突き出た状態になる、いわゆる「口ゴボ」は、歯列矯正でかなり改善することが可能です。
「人前で思い切り笑うことができない」「昔から喋るときはつい口元を手で隠してしまう」「鏡をみるのも嫌になっている」など……このような悩みはありませんか?
歯列矯正を行えば、ほぼ必ずといっていいほど確かな改善効果を期待できます。歯列矯正は世界中で実践されている施術であり、症例が豊富です。
ありとあらゆる歯並びに柔軟に対応することが可能ですので、みなさんの歯列もきっとうまく矯正することができるでしょう。
- 噛み合わせや口呼吸が改善される
噛み合わせの悪さは、頭痛や肩こりなどの諸症状を引き起こしてしまうこともあります。
またそれだけでなく、日常生活や就寝時にうまく口を閉じることができず、常時「口呼吸」になってしまうことも……。
口呼吸を続けていると、口内の渇きが原因で口臭を招いたり、風邪をひきやすくなったりしてしまいます。
歯列矯正は、そうしたデメリットを改善へと導くことができます。
- 発音を改善できる
「こもったような喋り方になる」「〇行の発音がうまくいかない」など、歯列は発音にも大きく影響を及ぼしています。
矯正を行うことで、これまで難しかった発音を改善することができるようになります。
もしも人前で喋ることにコンプレックスを抱いていたり、自信をもって話すのが苦手だという方は、矯正がおすすめです。
(2)矯正のデメリットとは?
歯列矯正はもちろんメリットだけではなく、いつくかのデメリットも生じます。
いまの自分に矯正治療が必要かどうかを判断するために、デメリットの側面についても十分に理解することが大切です。
- 治療費が高額になりがち
日本では現在、歯列矯正は特殊なケース(先天的な骨格の異常など)を除き、すべて自費治療で行われます。
つまり、健康保険を適用できないわけです。そのため、一般的には10万円~150万円ほどの治療費を負担することになります。
この高額な治療費を理由に歯列矯正を断念する方もけっして少なくありません。
とはいえ、治療費の支払い方法を工夫(分割払いなど)したり、医療費控除を活用したりするなどして、支払いの負担を軽減することも十分に可能です。
まずはかかりつけの医師に相談して、費用の支払い方などを計画していくとよいでしょう。歯科医院側も、こころよく相談にのってくれるはずです。
- 治療が長期間に及ぶ
矯正治療は、そうすぐに終えることができません。数ヶ月から数年間かけて矯正器具や保定器具を着用し、歯列を整えていく必要があります。
もちろん矯正している間は、定期的に歯科医院に通ってメンテナンスや経過観察を行わなければなりません。
そのため、「だんだんと面倒になって、途中で矯正治療を放棄してしまった」という方もいらっしゃいます。
それではせっかくの矯正も中途半端で終わってしまいますし、場合によっては歯列が元の位置に戻ってしまうこともあります。
そうならないためにも、一度矯正を始めたからには、最後まで根気強く治療を続けていくという意志が必要です。まずはこのことを心しておきましょう。
- メンテナンスが大変
たとえば、歯の表側に装着する「ワイヤー矯正」では、虫歯にならないように入念なブラッシングとメンテナンスが不可欠になります。矯正器具に食べ物のかすなどが挟まってしまうためです。
口内ケアを怠ると、虫歯だけでなく歯周病を引き起こしてしまうことも……。万が一、口内でトラブルが発生すると、矯正治療を中断することになってしまいます。
そうなると、せっかくの歯列がまた元に戻ってしまい、手間とコストが増えてしまう結果にもなりかねません。
歯列矯正を行う際は、くれぐれも日々の口内ケアに注意を払うようにしましょう。
- 「後戻り」のリスクはつねに存在する
矯正を終えたからといって安心はできません。実は歯列は、以前の位置に自然と戻ってしまう傾向があるといわれています。一般的にこの現象は「後戻り」と呼ばれています。
ただし、後戻りの程度には個人差があり、人によってはほとんど気づかない場合もあれば、明らかに矯正以前の状態に戻りつつあると自覚できるレベルまでさまざまです。
後戻り後の再矯正を行うことはもちろん可能ですが、その際には追加で費用負担をしなければなりません。
矯正を行う際は、後戻りのリスクを念頭に置くようにしましょう。
また、後述しますが、「後戻りしない矯正方法」についても解説しますので、気になる方はぜひ読んでみてください。
(3)あなたにぴったりの矯正方法とは?
以下では、数ある矯正方法のなかでもポピュラーなものを5つ紹介していきます。
それぞれ費用やメリット・デメリットに違いがありますので、自分に最適な方法を検討してみてくださいね。
(3-1)世界中で支持されている「ワイヤー矯正」
子どもから大人まで、幅広く対応できる王道の矯正方法。それが「ワイヤー矯正」です。
最大の特徴は、昔から世界中で採用されている矯正方法であるということ。症例数が非常に豊富なため、どんな複雑な歯列にも対応することができます。
費用の目安 | 70~100万円 |
治療期間の目安 | 数ヶ月~3年 |
メリット | ・取り外す手間がない
・矯正範囲が広い ・矯正(歯の移動)が比較的速い ・微調整にも対応可能 |
デメリット | ・人前で目立ってしまう
・装置を付けると食べ物の制限がある ・装置が外れるとやや面倒 ・器具が口内に当たって痛い |
どんな人におすすめ? | ・矯正器具を歯の表側に装着することにあまり抵抗がない
・費用が安くて効果の高い方法を望んでいる |
(3-2)目立ちにくいワイヤー矯正なら「裏側矯正」
思春期のお子さんや、接客業のように人前で喋る機会のある方は、歯の表側にワイヤーを装着することに抵抗を感じるかと思います。
そんなときは、歯の裏側に矯正器具を装着する「裏側矯正(リンガル矯正)」がおすすめです!
費用の目安 | 80~130万円 |
治療期間の目安 | 数ヶ月~3年 |
メリット | ・目立ちにくい
・表側矯正よりも虫歯になりにくい(唾液で汚れを落とすことができる) |
デメリット | ・通常のワイヤー矯正によりもやや費用が高め
・器具が舌に当たるので違和感を感じる ・発音がしにくい場合もある |
どんな人におすすめ? | ・矯正していることを周囲に知られたくない
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(3-3)手入れラクラクで目立たない!「マウスピース矯正」
「もっと手軽な矯正方法はないの?」「器具を装着し続けることに抵抗がある……」という方には「マウスピース矯正(インビザライン)」がおすすめです。
透明のマウスピースを装着するため、痛みもなく、着脱も非常にラクラク。手間の少なさや手軽さから、若い女性にも人気の矯正方法です。
費用の目安 | 10~150万円 |
治療期間の目安 | 数ヶ月~3年 |
メリット | ・痛くない
・目立たない ・食事の際は取り外せる ・着脱が容易で洗浄しやすい |
デメリット | ・歯列の状態によっては矯正ができないケースもある
・外し過ぎると矯正効果がでないこともある |
どんな人におすすめ? | ・矯正していることを周囲に知られたくない
・TPOに合わせて矯正器具を外せるようにしたい ・矯正中も食事を楽しみたい |
(3-4)非抜歯・短期間の矯正が可能に!「インプラント矯正」(1~5万円/1本)
インプラント矯正は「できるだけ早く治療を終わらせたい」「歯を抜かずに治療したい」という方におすすめの治療法です。
簡単にご説明すると、歯茎に小さなインプラントを埋め込み、そこを支点にして歯を動かすというものです
一般的な矯正治療よりも、動かしたい歯に対して効率よく力を加えられるので歯が動くスピードが速くなります。
それだけでなく、通常の矯正治療では不可能な「奥歯の後方移動」が可能になります。
奥歯を後ろに移動させることで歯を並べるスペースに余裕ができます。
そのため「矯正するには抜歯が必要です」と言われてしまった方でも歯を抜かずに治療を受けられる可能性が高まります。
費用の目安 | 1~5万円/1本(オプション料金) |
治療期間の目安 | 1年~2年 |
メリット | ・治療期間を短縮できる
・歯を抜かずに治療できる |
デメリット | ・インプラントが外れる可能性がある
・オプション費用が加算される場合がある |
どんな人におすすめ? | ・治療期間を短縮したい
・抜歯をせずに治療したい |
(4)まとめ
歯列矯正は多くの場合、改善効果を期待することができます。
しかし矯正の程度は個人差がありますし、矯正が終わったにもかかわらず、自然と矯正前の位置に戻ってしまう後戻りのリスクは誰にでもつきまとうものです。
「必ず矯正がうまくいく」とは限りませんが、今回の記事を参考に自分に合った治療法を検討してみてくださいね。