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矯正をはじめる「適齢」は?10歳~?50歳以降でもできるの?

“子供の治療”と思われがちな矯正治療ですが、歯並びは年齢を問わず、どの年代からでも治療することができます。ただ治療をはじめる年齢によって治療の考え方や方法、注意点などが異なるため、どのタイミングで治療を開始すべきかをしっかり吟味しておきましょう。

 

今回は子供と大人それぞれの治療開始のタイミングや、年代ごとの治療のポイント・注意点などを詳しくご紹介していきます。

1.子供が矯正をはじめる適齢時期

1-1.歯列矯正は子供からはじめたほうがメリット大

矯正治療は、大人になってからより子供からはじめたほうがメリットの大きい治療です。子供の場合は治療に骨の成長が利用できるため、顎の大きさや位置、形などを整えながら理想的な歯並びへと近づけることができます。

 

例えば顎が前方に大きく突き出した「出っ歯」「受け口」などは、顎の成長をコントロールすることで骨格を正常な形へ整えることが可能です。また歯並びについても、歯の大きさや並びに応じて顎の大きさを調整する治療が行えます。

 

このように子供の治療では「顎」と「歯並び」の両方をバランスよく調整できるため、抜歯などの負担も軽減されるほか、治療後の後戻りも少なくなります。

1-2.治療開始の目安は”前歯の生え変わり“

骨の成長を活かした治療は「第1期治療」と呼ばれ、基本的には乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」に行われます。治療開始のタイミングは、上下の前歯4本が永久歯に生え変わった頃、年齢して6~8歳頃が目安です。生え変わった前歯が出っ歯気味であったり、歯並びに大きなズレがみられたりする場合は、このタイミングで一度、専門家に相談してみるとよいでしょう。

 

なお乳歯がすべて永久歯に生え変わる11~12歳以降では、十分な骨の成長が見込めなくなるほか、治療の内容も大人の矯正とほぼ同じになります。子供の歯並びが気になる場合は、少なくとも10歳までに治療をはじめておくほうがベストでしょう。

1-3.「受け口」「あごのズレ」は早めの治療が必要

下の前歯が上の前歯より前方にある「受け口」や、あごが左右のどちらかにずれているケースは、永久歯が生えるよりも前に治療をはじめたほうがよい場合があります。乳歯が生えそろう3歳前後にこのような兆候がみられる場合や、3歳児検診で指摘を受けた場合などは、早めに歯科医院を受診しておきましょう。

 

また「指しゃぶり」や「舌を突き出すクセ」、「口呼吸」などが長引く場合も注意が必要です。このようなクセは悪習癖(あくしゅうへき)と呼ばれ、将来歯並びが悪くなる要因の1つと考えられています。3歳以降もこのようなクセが続く場合はご家庭でも注意するほか、やめられない場合は専門家の指導を受けながら改善を図っていきましょう。

 

1-4.歯並びが気になったら、迷わず専門科に相談

子供の場合は成長のスピードも一人ひとりで異なり、一概に「何歳から」と決めつけることはできません。また子供独自の治療を受けられる時期には限りもあるため、少しでも歯並びが気になったら早めに専門科に相談しておくことが大切です。

 

くわえて乳歯が生えそろったのを期に、歯科の定期検診を受けておくこともおすすめです。定期検診では虫歯予防をはじめ、永久歯の生え変わりや歯並びに異常がないかなども入念にチェックしていきます。このような検診を習慣づけておけば、矯正治療が必要な場合に最も適したタイミングで治療が開始できる可能性が高くなるでしょう。

2.大人が矯正をはじめる適齢時期

2-1.矯正治療に”年齢制限”はない

基本的に矯正治療には年齢の制限はなく、何歳になっても治療は受けられます。子供ほどメリットは多くないように思われがちですが、大人からはじめる矯正治療にも利点はあります。

 

一番のメリットは、長年のコンプレックスが解消され、自分に自信が持てるようになることです。歯並びの悩みは大人になるほど深刻で、周囲とのコミュニケーションにも影響を及ぼします。きれいな歯並びはそれだけで表情を豊かにし、何ごとも後ろ向きだった自分に再び自信を取り戻してくれます。

 

また大人の矯正治療は健康面にもよい効果をもたらします。30代から増加する歯周病は歯を失う原因でも最も多くの割合を占め、50代以降では歯を失う原因の半数以上を占めるようになります。きれいな歯並びは歯周病のリスクを軽減させるため、生涯に1本でも多く自分の歯が残せる可能性も高まるでしょう。また噛み合わせが良くなると全身のバランスも整いやすく、慢性的な肩こりや腰痛などが矯正治療によって解消されるケースも多くみられます。

 

2-2.「目立たない」「短期間」などのニーズにも対応

昔と比べると矯正治療の方法や装置もバラエティに富み、「目立たない」「早い」「痛くない」など、様々なニーズに応えられるようになっています。

 

かつての矯正治療は金属製の装置をつけるのが当たり前でしたが、近年はこの手法も変わりつつあります。歯の表面に貼りつけるブラケットも今は「透明」や「白色」が主流となり、さらにワイヤーも白色で目立たないものが選べるようになっています。またこれらの装置は歯の“表側”に装着するのが一般的でしたが、近年は歯の“裏側”に装着する「裏側矯正」によって、さらに目立たなくすることも可能です。

 

ほかにも取り外しができる「マウスピース矯正」や、治療期間を大幅に短縮する「インプラント矯正」など、従来にはなかった治療法や装置が数多く誕生しています。矯正治療にありがちだったデメリットも、近年は様々な形を経て解消されつつあり、誰もが気軽に治療できる時代へと移り変わっています。

 

2-3.ライフステージごとの開始ポイントと注意点

2-3-1.思春期

思春期以降になると成長を見込んだ治療は難しくなるものの、治療を受ける本人が主体となって治療にも積極的に取り組めるという利点があります。歯並びのコンプレックスもこの頃から感じはじめるようになるため、矯正治療は心理面にもよい効果をもたらすでしょう。

 

ただこの時期は学業や部活動で忙しい日々が続くため、スケジュール管理には注意が必要です。装置の装着後は1~2ヶ月ごとに1回のペースと通院の負担は少ないももの、予約日を過ぎてしまうと治療の進み具合に影響がでてしまいます。部活動などで夕方の通院が難しい場合は、夜間18時以降まで診療している医院を検討するなど、無理のないスケジュールで治療が続けられる環境を整えておきましょう。

 

 

2-3-2.大学受験前

矯正治療は受験との両立も可能ですが、治療をはじめた直後は装置の違和感や痛みなどが勉強の妨げになる可能性もあるため、開始のタイミングには注意が必要です。治療に慣れるまでには、およそ数カ月から半年ほど時間がかかります。したがって最低でも受験予定日の半年~1年前には治療を開始しておくほうがベストでしょう。

 

また受験直前期に通院が難しい場合は、早めにその旨を担当医に伝えておけば通院回数を調整してもらいやすくなります。ギリギリになってからのスケジュール変更は治療の進度に影響するため、早い段階から綿密な治療計画を立てておきましょう。

2-3-3.就職活動前

就職活動の面接などに備えて、歯並びをキレイにしておくことはメリットがあります。とくに卒業後に海外で働きたい人や外資系の企業を希望している人は、“歯並び”にも要注意です。欧米では”美しい歯並び“は一種のステータスとなっており、歯が汚い人・歯並びの悪い人は「自己管理能力が低い」と判断される場合もあります。将来グローバルな環境で働きたい人は、歯並びも早めに改善しておくほうが得策です。

 

就職活動がはじまる半年~1年前から治療をはじめておけば、治療がまだ終わらない段階でも前歯の歯並びはある程度のレベルまで整えられます。装置をつけていることが面接でマイナスになることはありませんが、気になるようであれば「目立ちにくい装置」を検討してみるとよいでしょう。

 

2-3-4.子育てを卒業した40代・50代

子育てが終わった40代、50代からでも歯並びは治せます。時間的・経済的にも余裕が生まれるこの年代は、第2の人生のスタートとして矯正治療をはじめるのに最良な時期です。年齢的に“恥ずかしさ”を感じる人も多いようですが、平均寿命が80代を超える時代において40代・50代はまだその折り返し地点にすぎません。ここで見た目や噛み心地のよい歯並びを手にいれておけば、残りの人生はさらに実りある豊かなものになるでしょう。

 

40代以降の矯正治療で注意したいのが歯周病です。歯周病によって顎の骨の量が少なくなると、矯正治療を受けること自体が難しくなります。歯周病は30代から急速に進行しやすくなるため、口内ケアは欠かさず行うなど予防に努めましょう。

3.まとめ

矯正治療は成長が見込める子供からはじめるほうが、利点も多くなります。ただ子供の成長には個人差があるため、治療開始に最適なタイミングを見逃さないためにも、早い段階から歯科医院で定期的なチェックを受けておきましょう。

 

大人の矯正治療はライフステージごとに様々なメリットがあるため、「歯並びを治したい」と思った時が最良のタイミングといえます。近年は新しい治療法や装置も数多く誕生し、昔と比べると治療によるストレスも少なくなっています。矯正治療は今や“年齢”を気にする治療ではありません。ぜひチャレンジしていきましょう。

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