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マウスピース矯正装置「クリアコレクト」は他のマウスピースと何が違うの?

マウスピース矯正で使用するマウスピースにはさまざまな種類があります。日本の歯科医院でよくみられるのはインビザラインですが、インビザラインに勝るとも劣らない審美性を誇っているのが、クリアコレクトと呼ばれる矯正装置です。

 

マウスピース矯正で使用するマウスピースはどれも同じように見えますが、クリアコレクトとはどのような矯正装置なのでしょうか。また、他のマウスピースとどのような違いがあるのでしょうか。

1 クリアコレクトとは

クリアコレクトはインビザラインの後発という位置づけで、日本では導入されてまだ日が浅く、認知度は高いとは言えません。しかし、それにもかかわらず、クリアコレクトを扱う歯科医院は徐々に増えてきています。ここでは、クリアコレクトとはどのような矯正装置なのか、概要について解説します。

1-1: インプラントで有名なストローマン社製

クリアコレクトは2006年にアメリカでインビザラインのメーカー アラインテクノロジー社の元社員により開発されました。現在は、インプラントの世界シェアNo.1を誇るスイスのストローマン社が提供しています。インビザラインの後発という位置づけではあるものの、症例数は全世界でおよそ100万症例となっています。日本にはまだ2019年1月より導入されたばかりですが、マウスピース矯正の選択肢のひとつとして取り入れている歯科医院も少なくありません。

1-2: カスタムメイドでアライナー(マウスピース)を作製

クリアコレクトは、患者さん一人ひとりに合ったアライナー(マウスピース)をオーダーメイドで作製するカスタムメイド型矯正装置であることがその特徴です。口腔内スキャナーで口腔内のスキャンデータをコンピューターに取り込み、歯の動きをシュミレーションしながら3Dの治療計画を立てます。そのため、治療を始める前に仕上がりのイメージやおおよその治療期間がわかります。

1-3: 身体や歯への負担が少ない

クリアコレクトによる矯正治療では、1~2週間ごとにマウスピースを取り換え、2年~2年半の年月をかけて歯並びを整えます。1つのマウスピースで0.2~0.25mmずつ歯を動かしていくことを目標にしているため、痛みが少なく身体や歯への負担も軽減されることがメリットです。

1-4: 歯頚ラインの2mm上でカットされたトリムライン

クリアコレクトで使用するアライナーは、歯頚ライン(歯と歯ぐきの境目のライン)の約2mm上まで覆うように設計されています。このデザイン(トリムライン)によって、アライナーと歯や歯ぐきとの密着度が高まるので、ほかのアライナーよりも脱離する可能性が低く、保持性や矯正力に優れていると言われています。

2 クリアコレクトと他のマウスピースとの違いとは?

クリアコレクトはコンピューターで歯の動きをシュミレーションしてマウスピースを作製しますが、このことはほかのマウスピース矯正と共通しています。では、クリアコレクトはほかのマウスピース矯正装置とどのような違いがあるのでしょうか。

2-1: 他のマウスピースよりも目立ちにくい

クリアコレクトはほかのマウスピース矯正で使用するマウスピースよりも薄く、より目立ちにくくなっています。また、光の乱反射を防ぐためにやや曇った色の材質でできている点も大きな特徴です。その点においても、クリアコレクトは周りの人から気づかれにくくなっていると言えるでしょう。

2-2: 歯型取りは3Dデジタルスキャンのみ

すべてのマウスピース矯正では、まず歯型取りをしますが、その際に従来のシリコンのかたまりを使って歯型を取ることがあります。クリアコレクトでは、歯型取りは口腔内スキャナーを使った3Dデジタルスキャンで行います。3Dデータとしてコンピューターに取り込めるので、治療完了までの歯の動きや仕上がりのイメージをその場で見ることができます。ただ、クリアコレクトは3Dデジタルスキャンのみにしか対応していないため、口腔内スキャナーのない歯科医院では治療ができない点に注意が必要です。

2-3: アライナーが硬くフィット感が強い

クリアコレクトで使用するアライナーは比較的硬い素材でできているため強度にすぐれており、ひび割れを防ぐこともできます。また、硬くて歯肉の部分まで覆う分、フィット感が強く、歯にかかる力も強くなります。そのため、クリアコレクトは奥歯の位置を動かさずに前歯の歯並びのみを整える部分矯正や、小臼歯矯正などに向いていると言えるでしょう。

2-4: アタッチメント(エンゲージャー)が少なくすむ

マウスピース矯正では、治療効果を高めるためにアタッチメント(エンゲージャー)と呼ばれる装置を併用することがあります。アタッチメント(エンゲージャー)とは、歯を効率的に動かすために歯の表面につける白い小さな突起物のことです。

アタッチメントをつけると、歯を理想の方向へ動かしやすくなり、矯正治療をスムーズに進めることができるのです。

歯の色にあわせて作製するので目立ちにくくなっているものの、歯の表面につけるため、患者さんのなかにはいやがる方もいるのが実情です。その点、クリアコレクトは強度やフィット感に優れているため、アタッチメント(エンゲージャー)の使用量も少なくすむのがメリットです。

2-5: 歯の重なりが大きい場合はクリアコレクトだけで治療できないことも

クリアコレクトは上顎前突(出っ歯)や叢生(でこぼこの歯並び)、開咬(オープンバイト)、交叉咬合(上下の歯の交叉)、正中離開(すきっ歯)など、さまざまな症例に対応できます。

しかし、歯の重なりが大きい場合は、クリアコレクトだけでは対応できず、ワイヤー矯正や抜歯との併用が必要になることもあります。クリアコレクトでの矯正治療を受けたい場合は、お口の中の状態がクリアコレクトに対応できるかどうか、歯科医院で相談されることをおすすめします。

3 クリアコレクトで矯正治療する際の注意点

クリアコレクトで矯正治療をする場合も、ほかのマウスピース矯正と同様に注意点がいくつかあります。きちんと治療効果を得るためにもきちんと注意事項を守って治療を受けるようにしましょう。

3-1: アライナーは1日22時間以上装着する

クリアコレクトは取り外しが自由ではありますが、食事や歯磨き以外の時間はすべて装着することが求められます。目安としては、1日22時間以上つけることが必要です。装着する時間が足りなければ治療効果がうすれ、治療計画に遅れが出ることがありますので、くれぐれも決められた時間を守るようにしましょう。

 

3-2: 毎食後歯磨きをする

アライナーは食事のときに毎回外しますが、食後は必ずしっかり歯磨きをしましょう。装置をつけていないときは、唾液で口腔内の細菌などがある程度流されます。アライナーをつけていると歯の表面に唾液が触れないので、歯の汚れから虫歯菌や歯周病菌が繁殖して虫歯や歯周病の原因にもなります。装着前にはフロスなども使って丁寧に歯を磨き、磨いた後はすぐにアライナーをつけることを忘れないようにしましょう。

3-3: 治療後は保定装置(リテーナー)をつける

歯並びが整っても、そのままにしていては後戻りする原因となります。矯正治療が終わった後は、必ず保定装置(リテーナー)をつけるようにしましょう。保定期間はおよそ2年間です。

 

 

他のマウスピース型矯正装置に比べて保持力や矯正力にすぐれたクリアコレクトは、きちんと注意事項を守って正しく装着すれば治療効果が高まります。ただし、症例によっては適用できないケースもありますので、事前に必要な検査を受けた上で担当医とよく相談されることをおすすめしま

す。

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