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歯科矯正は痛いって本当?痛みの理由と対処法

「歯並びを直したいけれど、歯科矯正は痛いと聞くから…」という悩みをよく聞きます。

確かに、日常生活の中で歯の痛みを感じるようでは二の足を踏むのも当然です。

本当に痛むのか、痛むのならどのくらいの痛みなのか、痛みを和らげる方法があるのか、それらを事前に知っておきたいという方は多いでしょう。

 

そこで、歯科矯正のときの痛みの程度や原因、対策などについて説明します。

歯科矯正を検討する際の参考にしてください。

1.歯科矯正の痛みの理由とは

結論から言うと、歯科矯正では多くの人が痛みを感じます。

ただし、痛みの程度は人によって千差万別。

治療を始める際の歯の状態や治療法によって変わります。

 

食事に支障が出るほどの痛みがあったという人がいれば、むずがゆい程度だったという人もいます。

ただ、痛みを感じたという人も、治療中、ずっと痛みを感じるわけではありません。

ほとんど場合、最初のうちだけです。

そもそも、痛みが続くようなら、矯正治療を続けられるわけがありません。

 

では、なぜ歯が痛むのか。

これには諸説あるのですが、主に3つの原因が考えられています。

 

その原因とは次の3つです。

 

・矯正器具による痛み

・歯が動くことによる痛み

・噛むときの痛み

 

それぞれの痛みについて、詳しく説明しましょう。

1-1矯正器具による痛み

一般的な歯科矯正では、ワイヤーとブラケットという装置を使って歯を動かします。

矯正治療で、歯の前面にワイヤーを通している人を見たことがあるでしょう。

 

通常、ワイヤーを通す装置は金属製で、どうしても口の中や舌にあたってしまいます。

慣れないうちは違和感があり、ときどき、装置で口の中を傷つけてしまうこともあります。また、装置が刺激となって、口内炎ができてしまうこともあります。

 

こうした、小さな怪我や刺激、口内炎で痛みを感じることがあります。

1-2歯が動くことによる痛み

歯科矯正では、さまざまな装置を使って歯に小さな力を加え続けて、歯を正しい場所へと導きます。

 

なぜ、力を加えると歯が動くかといえば、力が加わることによって、歯を支える顎の骨が歯根膜という組織に溶かされ、歯が移動していくためです。

歯が移動した跡には新たな骨が形成されます。

この、骨が溶ける過程において、痛みのもととなる物質が分泌されるとされます。

 

このため、矯正装置を装着してからしばらくは、痛みを感じる人が多いようです。

痛みの感じ方はさまざまで、激しい痛みを訴える人がいる一方、むずがゆさ程度しか感じない人もいます。

 

痛みを感じ始めるのは、装置を付けてから平均で約6時間。

1日半たった頃に痛みのピークを迎えるとされます。

 

痛みは時間が経つとともに和らぎ、ひどい痛みを感じていた人も、たいてい1週間程度で治まります。

 

1-3噛むときの痛み

矯正装置によって歯が移動していく過程の中で、食べ物を噛むことで痛みを感じることがあります。

これは歯を噛むことで振動が響くためです。

 

特に固いものや噛み切らなければならないものを食べると、痛みを感じる人が多いようです。

中には食欲がなくなってしまうほどの痛みを訴える人もいます。

これも装置を付けた直後に起こり、多くの場合はしだいに和らいでいきます。

2.痛んだときの対処法

矯正中の痛みのほとんどは、装置を付けた直後に起こり、しだいに和らいでいきます。

しかし、あまりに痛みがひどいようだと、矯正を続ける意欲にも関わります。

 

歯科医院では、どのように痛みを和らげているのか、また、日常生活で注意すべき点は何か、説明しましょう。

2-1ワックスで保護をする

装置が口の中や舌にあたって痛い場合は、ワイヤーの強さや装置の装着方法を調整してくれることがあります。

それで、痛みが和らぐこともありますが、口の中の状態によっては、どうしても装置が口の中や舌にあってしまうということがあります。

 

そうしたときは、歯科用のワックスで装置が直接触れないようにします。

ワックスは、半透明の粘土のようなもので、ちぎったり、丸めたり、つぶしたりして簡単に変形させることができます。

 

これを、装置に被せるように貼り付け、粘膜や舌などに金属が直接触れないようにします。 口内炎の予防として使ってもいいでしょう。

もちろん、人体には無害な素材で、もし、飲み込んでしまっても問題はありません。

 

2-2痛み止めを飲む

痛みが強い人には、鎮痛剤を処方されることがあります。

歯科医院によっては、最初から痛み止めを渡す歯科医院もあるようです。

 

痛み止めにも種類があり、歯科矯正の痛みにはアセトアミノフェンという薬が使われるのが一般的です。

商品名としては「カロナール」です。

 

また、生理痛や頭痛の薬として、痛み止めを常備している方もいるでしょうが、痛みがひどいときはそれらを服用しても効果が期待できます。

痛み止めを服用する際は、できるだけ歯科医師に相談してください。

2-3食事に気を付ける

歯が痛くて、食べられなくなると、つらくて不安にもなるものです。

しかし、矯正装置をしている間、ずっと痛みが続くわけではありません。

痛みのピークは装置の装着後2~3日で、1週間もすれば痛みも落ち着いていきます。

 

ですから、その間だけ、噛まずにすみ、歯にあまり負担のかからないものを食べることで、痛みを和らげることができます。

 

具体的に挙げれば、おかゆやスープなど水分の多い食事がいいでしょう。

茶碗蒸しや豆腐など歯を使わずに舌で潰せるような柔らかな料理や食材でもいいですし、麺類も短く切ることで、噛まずに飲み込むことができます。

 

ほかにもよく煮込んだ煮物や柔らかめのハンバーグもいいかもしれません。

水分を多めにするのが、コツといえそうです。

3.痛みの少ない歯科矯正法は?

歯科矯正で感じる痛みは、主に装置そのものが口の中の粘膜や舌に触れることによる痛みと歯が動くときに痛みです。

 

以前は、装置の調整や痛み止めの服用などで痛みを抑えるしかなかったのですが、最近は装置や治療法の進化や多様化によって、痛みが出にくい治療法も現れてきました。

 

痛みが出にくいとされる治療法を紹介しますので、歯科医師と相談しながら検討してみてください。

3-1マウスピース

ワイヤーを使った装置に変わる矯正器具として、利用が広がってきているのが、マウスピースです。

マウスピースを使った矯正は、ワイヤー矯正より痛みを感じにくいと言われています。

 

マウスピースを使った矯正では、マウスピースを装着することで歯を少しずつ移動させていきます。

マウスピースは歯が動くたびに新しい物に交換し、時間をかけて歯並びを整えていきます。

 

マウスピースは表面がなめらかで、柔らかなプラスチック素材でできているため、金属製装置やワイヤーのように口の中や舌を傷つけたり、当たって痛みを感じたりすることはほとんどありません。

 

また、マウスピースはミクロン単位で歯を動かすことができるようコンピューターを使って精密に設計されます。

このため、歯にかかる力も少なく、痛みも和らげられます。

痛みの感じ方には個人差がありますが、従来のワイヤー型の矯正装置に比べ、痛みを感じないという人が多く、激しい痛みを感じる人も少ないようです。

 

ただし、歯並びや口の中の状態によっては、マウスピースによる矯正が難しい場合もあります。

3-2新しい装置や新素材を使う

近年、歯科矯正の研究が進み、歯に強い力を加えるより、弱い力のほうが速く歯が動くという報告もされるようになってきました。

歯にかかる力が弱ければ、歯への負担も小さくなり、痛みが和らぐ可能性があります。

 

最近では、弱い力での歯科矯正を掲げる歯科医院も増えてきました。

 

装置も改良が進み、ワイヤーを通すブランケットでも、「ローフリクション」「ローフォース」と呼ばれるブラケットが登場しました。

 

このブランケットは、ワイヤーを強く固定するのではなく、多少余裕を持たせてワイヤーを装着させることができます。

このため、歯にかかる力も軽減することが可能です。

 

また、ワイヤーも、従来は医療用もステンレススチール合金が主流でしたが、技術の進歩によって形状記憶合金によるワイヤーが使われるようになりました。

従来のワイヤーは歯科医師が歯型に合わせて自分で成形するため、どうしても出来上がりに経験や技術の差が生じます。

 

しかし、形状記憶合金であれば、細くて弾力性があり、加工も容易です。

こうした素材を使うことによって、痛みを軽減することが可能になりました。

4.まとめ

歯科矯正とは、人為的に歯に力を加えていく治療法です。

また、力を加えるために口の中に異物を装着します。

このため、多少の痛みが出るのはやむを得ません。

 

しかし、必要以上の痛みが出るのは問題ですし、矯正治療を続けていく意欲にも関わります。できるだけ、痛みを感じずに歯並びを治していけるのが理想でしょう。

 

最近は、痛みを軽減できる装置も登場していますし、痛み対策に力を入れる歯科医院も増えています。

 

歯科矯正を受ける場合は、痛みについても遠慮なく相談し、納得した上で治療に臨みましょう。

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