何年もかけて、矯正で綺麗になった歯並び。
その矯正後の歯並びが、元に戻ってくることを後戻りと言います。
「せっかく高額な治療費と、長い治療期間をかけたのに・・」
後戻りの治療には、再び高額な治療費や長い治療期間がかかるのでしょうか。
実はほとんどの場合、後戻りの治療費が高額になることはありません。
また、よほどの後戻りでない限り、治療期間も短めとされています。
矯正した歯の後戻りに必要な治療費や、治療期間について解説しています。
目次
- 1. 矯正した歯の後戻りに掛かる治療費は?
- 1-1 歯科医師によって後戻りの治療費は異なる
- 1-2 一度目の矯正データがあるため、余計な治療費が省かれる
- 1-3 後戻りのレベルによっては治療費が数千円で済む
- 2. 矯正した歯の後戻りに必要な治療期間は?
- 2-1 軽い後戻りなら数ヶ月の治療期間で終わる
- 2-2 再度、ワイヤーを使うほど後戻りをした場合
- 3. 歯を矯正したときと別の歯科で行なう治療費や治療期間は?
- 3-1 引越してしまい、同じ歯科へ行かれない
- 3-2 矯正した歯科医が廃業などで無くなってしまった
- 3-3 矯正を行なった歯科医へは行きたくない
- 4. 【まとめ】後戻りした歯の矯正の「治療費」や「治療期間」は?
いくつかの注意点を踏まえ、解説します。
1. 矯正した歯の後戻りに掛かる治療費は?
まず、歯の矯正にかかる費用は50~100万円以上と様々です。
歯科医師によってもですが、歯並びの程度によっても異なります。
「では矯正した歯が後戻りしてしまった場合は?」
後戻りに対する治療費は、どのくらいなのでしょうか。
結論から言いますと、矯正の治療費よりかなり安く行なうことができます。
相場としては数万円~十数万円の間が多いです。
医院によっては装置料とチェック料しか掛からないこともあります。
通常であれば、患者さんは矯正治療を行なった歯科医を訪れます。
ほとんどの場合、一度目にかかった治療費も考慮されます。
しかし、注意すべき点もあるので詳しく解説します。
1-1 歯科医師によって後戻りの治療費は異なる
歯の矯正にかかる費用そのものが、歯科医院によって様々です。
そのため、後戻りの治療費も一定には決まっていません。
1-2 一度目の矯正データがあるため、余計な治療費が省かれる
当然ですが、一度すでに歯の矯正を行なっています。
その際に、患者データはカルテとしてすべて記録されています。
矯正のための治療、または必要な検査をすでに終えています。
通常これらが考慮され、差し引かれることがほとんどです。
1-3 後戻りのレベルによっては治療費が数千円で済む
歯の矯正後の後戻りと言っても、様々なケースがあります。
・矯正後に数ヶ月、または数年が経っているのか
・最初の保定装置(リテーナー)を使える範囲の後戻りであるのか
・ワイヤー型の保定装置が必要なほど後戻りしているか
上記のように、後戻りの程度によって治療費は異なってきます。
とはいえほとんどの患者さんは、後戻りがひどくなる前に歯科医を訪れます。
結果として、数千円~数万円の診察費で済むことになります。
いずれにしても、一日でも早い再診を心がけましょう。
2. 矯正した歯の後戻りに必要な治療期間は?
「一度目の矯正のように、また何年も掛かるか不安」
・矯正治療に痛みを感じた
・矯正ワイヤーが見えて恥ずかしかった
このように患者さんによって、後戻りの治療期間も気になるところです。
一般的に、矯正の後戻りに掛かる治療期間は数ヶ月~数年と波があります。
この差は、後戻りしたレベルによって治療期間が異なるためです。
しかし多くの場合、数ヶ月から一年程度とされています。
2-1 軽い後戻りなら数ヶ月の治療期間で終わる
矯正の治療から大きく後戻りをしていない場合。
小さな後戻りの場合は、既に持っている保定装置だけで済むことがあります。
この場合の治療期間は、数ヶ月~1年程度とされています。
後戻りの治療は矯正に比べ、非常に短い期間で行えます。
もちろんですが、治療期間の判断は医師が行ないます。
そのためにも後戻りに気づいたら、早めに受診へ行きましょう。
2-2 再度、ワイヤーを使うほど後戻りをした場合
保定装置をしていなかったなど、大きく後戻りをしてしまったケース。
この場合は保定装置ではなく、改めて矯正が必要なことがあります。
部分的な後戻りなのか、全体的なのかを診断してもらってください。
後戻りのレベルによって、治療期間が異なってくるのです。
軽いもので数ヶ月~1年程度とされています。
重症化してしまうと、改めて数年かかる場合もあります。
3. 歯を矯正したときと別の歯科で行なう治療費や治療期間は?
矯正した歯が後戻りした場合、別の歯科医へ行くケースがあります。
・患者さん自身の引っ越し
・歯科医そのものが廃業してしまった
・矯正した歯科医には行きたくない
上記のような場合の治療費は、どうなるのでしょうか。
よくあるケースをひとつずつ解説します。
3-1 引越してしまい、同じ歯科へ行かれない
引っ越しにより、矯正を行なった歯科医へ行くことができない場合があります。
このような場合はどうすればよいのでしょうか。
①矯正が後戻りした後に引っ越す場合
矯正を行なった歯科医師に、診断書を書いてもらってください。
診断書を持って、転院先の歯科医師に提出するだけです。
②引っ越した後に矯正が後戻りした場合
可能であれば一度、矯正した歯科医を訪れることが望ましいです。
その上で後戻りの診断書を作成してもらい、転院先へ持参します。
物理的に行くことができない場合は、単なる転院になります。
可能な限り、保定装置など資料になるものはすべて持参しましょう。
3-2 矯正した歯科医が廃業などで無くなってしまった
矯正した歯科医師が、高齢などの理由で廃業していることがあります。
この場合は残念ながら転院するしかありません。
可能な限り、保定装置など資料になるものはすべて持参しましょう。
3-3 矯正を行なった歯科医へは行きたくない
「矯正した歯が後戻りしたけど、あの歯科医へ行きたくない」
少なからず、治療に納得がいかなかったりすることもあります。
または歯科医師と信頼関係が築けなかったなど、理由は様々です。
この場合の選択は、転院するかセカンドオピニオンになります。
①転院の場合
矯正を行った歯科医師に、後戻りの診断書を作成してもらいます。
↓
診断書と一緒に、保定装置などを転院先へ持参しましょう。
②セカンドオピニオンの場合
矯正を行った歯科医師に、後戻りの診断書を作成してもらいます。
↓
診断書と一緒に、保定装置などを希望する歯科医へ持参します。
↓
新たな歯科医師の意見と、矯正を行なった歯科医師の意見を比べます。
↓
どちらの歯科医で後戻りの治療を行なうか、患者さんが決定します。
転院もセカンドオピニオンも、まずは主治医に伝えることから始まります。
後戻りの期間を少しでも減らすために、一日でも早く相談しましょう。
4. 【まとめ】後戻りした歯の矯正の「治療費」や「治療期間」は?
矯正した歯の後戻りに掛かる治療費、治療期間について解説しました。
結論から言うと、矯正した歯の後戻りの治療費は数万円~十数万円。
治療期間は数ヶ月~1年程度ということがわかりました。
しかし歯科医師ごとに、歯の矯正治療に対する考え方があります。
矯正後の後戻り治療についても同じように、歯科医師の価値観が異なるのです。
いずれにしても違和感があれば放置はせず、歯科医師に連絡しましょう。
結果的に治療費も安く、短い治療期間で行なうことができます。
さらに歯も目立つことなく、安心して歯並びを保ちましょう。
矯正した歯の後戻りに大切なことは、一日でも早い歯科医師への相談と言えるのです。