子どものうちから矯正できる方法はある程度限られていました。従来では「拡大床」という器具を装着するのが一般的ですが、細かい調整ができないというデメリットがあります。
今回ご紹介する「インビザラインファースト」は、成人矯正と同様に「マウスピース」を装着できる子どもの矯正方法。細かい調整が可能ですので、理想の歯並びに近づけられます。
「子どもがストレスを感じずに矯正できる方法を選択したい」「ワイヤーの矯正器具を子どもが嫌がっている」という方にはぴったりの選択肢です。
目次
(1)インビザラインファーストとは
矯正方法のなかでも、「マウスピース」は自由に着脱が可能で、なおかつ透明で目立たないというメリットがあります。
しかしこの方法で矯正を行うには、永久歯が生え揃った「2期治療」の段階に入らないとなりませんでした。2期治療は、成人の矯正とまったく同じ扱いですから、当然、費用が高くなってしまいます。
それに対し技術革新によって登場した「インビザラインファースト」は、永久歯が生え揃っていない段階(1期治療)から適用可能なマウスピース矯正装置です。これを使用することにより、あごの骨の成長が著しく、歯が動きやすい状態で理想の歯列を実現できるようになります。
(2)インビザラインファーストのメリットとは
インビザラインファーストには、概して4つのメリットがあります。
(2-1)歯が動きやすく矯正に向いている
「矯正は子どものうちから始めたほうがいい」といわれるのは、子どもの歯は成人よりもはるかに動かしやすいからです。
インビザラインファーストは、子ども一人ひとりの成長過程に合わせながら理想の歯並びに近づけていきます。
骨がガッシリと固まってしまう成人期から矯正を開始するよりも矯正の難易度が低いため、予算に都合がある方は、インビザラインファーストを選択するメリットがあるといえるでしょう。
(2-2)激しいスポーツをしていても安心
マウスピース型の矯正方法であるインビザラインファーストは、激しい動きを伴うスポーツを行っている、あるいは「やんちゃでいつも外で遊んでいる」という子どもに最適です。マウスピースですから、万が一口元をぶつけても大きなケガの心配はありません。
(2-3)矯正中も食べ物の制限なし
ワイヤー矯正器具を装着すると、器具の都合上、食べ物に制限がかかる場合があります。それがストレスの原因となって、子どもが矯正自体を嫌がってしまうことも。しかしインビザラインファーストなら、食事を自由に楽しむことが可能です。
(2-4)目立たない
人目を気にしやすい子どもなら、「友達に馬鹿にされるからイヤ!」とワイヤー矯正を嫌がることもあるでしょう。しかしご安心ください。透明で目立たないマウスピースを使用するインビザラインファーストなら、女の子でも安心して装着し続けることができますよ。
(3)インビザラインファーストのデメリットとは
インビザラインファーストを選択するうえで、3点ほど注意したいデメリットが存在します。
(3-1)矯正費用がやや高い
一般的な子どもの矯正よりも若干費用の相場が上がってしまいます。永久歯の生え揃っていない1期治療を従来のやり方で行う場合は30~40万円ほどであるのに対し、インビザラインファーストは最大で60万円ほどかかるといわれています。
とはいえ、そこまで大きな違いはありませんので、成人の矯正(2期治療)で100万円ほど費用がかかることを考えれば、インビザラインファーストの選択は明らかにメリットに優れているといえます。
(3-2)装着時間が長い
インビザラインファーストは、最低でも1日20時間以上は装着し続ける必要があります。つまり、起きている間は、常にマウスピースを装着しなければ効果が期待できないのです。着脱が自由なインビザラインファーストであるからこそ、その点にはくれぐれも気を付けなければならないでしょう。
(3-3)矯正可能なタイミングが限られている
「早速インビザラインファーストを始めたい!」と思っても、そもそもこの矯正を行うには、「前歯8本が永久歯に生え変わること」が絶対的な条件となっていますのでご注意ください。
(4)まとめ
インビザラインファーストは、永久歯の生え揃っていないうちから始められる本格的なマウスピース矯正治療です。
骨のやわらかい時期から行うことで、理想の歯並びに近づけることができます。費用相場は40~60万円ほどで、成人矯正の相場(100万円~)よりも格段に低コスト。
結論からいって、子どもの矯正を検討しているすべての人にインビザラインファーストがおすすめできます。まずは早速、かかりつけの歯科医院に相談してみましょう。
インビザラインファーストのメリット・デメリット | |
メリット | ・歯が動きやすく矯正に向いている
・激しいスポーツをしていても安心 ・矯正中も食べ物の制限なし ・目立たない |
デメリット | ・矯正費用がやや高い
・装着時間が長い ・矯正可能なタイミングが限られている(前歯8本が永久歯になっていることが条件) |