今回は、「小さい頃から歯列矯正をしてあげたい」と考えている保護者の方向けの記事となっています。
「矯正器具が目立つからイヤ!」「恥ずかしいから器具を付けたくない!」とお子様に嫌がられていませんか?
そういった方はぜひ、今回の記事を読んでみて下さい。
目次
(1)子供の矯正には「2つのベストタイミング」がある
「そもそも、いつ頃から矯正を始めるべきなのだろう?」という疑問を持たれている方も多いでしょう。そこでまずは、子どもの歯列を整える最適なタイミングは次の通りです。
最適な矯正時期 | 適正年齢 | 治療期間 | 通院回数の目安 |
1期
(混合歯列期) |
5歳~11歳 | 1~2年 | 1~2カ月に1度 |
2期
(永久歯列期) |
11歳~12歳 | 2年前後 | 1ヵ月に1度 |
(1-1)子供の歯列矯正は成人矯正よりも安い?
以下に子供の歯列矯正にかかる費用の相場をまとめています。
矯正時期 | 費用相場 |
1期
(混合歯列期) |
15~60万円 |
2期
(永久歯列期) |
50~130万円 |
成人矯正の費用相場は、だいたい60~150万円前後です。1期治療だけを比較してみると若干、安上がりになります。
とはいえ、1期治療を終えた後は、ほとんどの方がそのまま引き続き2期治療に向かうことになるため、結果的に成人矯正より総費用が高くなる可能性があります。
しかし大切なのは、費用よりも矯正効果です。
成人矯正の場合、せっかく矯正を施しても、歯が元の位置に移動する「後戻り」するリスクがあります。
これは骨の形成が終わってしまっているためです。再矯正するとなれば、また別途費用がかかってしまいます。
一方で、子どもの矯正は、骨の成長を利用して理想の歯列や噛み合わせを実現していきます。
従って、「後戻り」を予防することができるのです。
そう考えると、歯列矯正を子供のうちから始めた方が、明らかにメリットがあるといえます。
(2)1期(混合歯列期)とは?
子供の歯列矯正をするベストタイミングのひとつは、乳歯と永久歯が入り混じっている「混合歯列期」です。一般的に「1期」とも呼ばれています。
適齢年齢は5歳~11歳で、矯正器具は成人矯正とは違い、比較的シンプルな“バンド式”のタイプが用いられます。
1期治療は、「2期治療の準備」。顎の位置を整えたり、歯列の間隔を拡げて永久歯の生えるゆとりを確保したりすることが目的です。
この治療の最大のポイントは、子供の「骨の成長」をうまく利用しながら、顎や歯列のバランスを理想に近づけるという点です。
(3)2期(永久歯列期)とは?
2期治療は、乳歯が全て永久歯に生え変わったタイミング(11歳~12歳)で行う本格的な矯正です。
成人矯正で使われる「ワイヤー矯正」を行うので、「人前で目立つ」イメージを持つ方が多いでしょう。
2期治療の目的は、永久歯の並びや噛み合わせを整えること。理想の歯列を実現できない場合には、歯を抜歯することもあります。
また2期治療の段階では、まだまだ骨格の成長を期待できるので、大人になってから行う成人矯正よりも矯正効果を期待できます。
2期治療から初めて矯正を行うご家庭も多いですが、できることなら、1期治療で本格的な矯正に備えてから、2期治療に進む方が子供の負担軽減にも繋がります。
(4)子供のうちに矯正をするメリットとは?
①骨格のバランス調整に対応しやすい
「骨が未熟なうちに矯正をするのが良い」という話を聞いたことがあるのではないでしょうか。実際その通りで、1期治療の最大のメリットは、骨格の成長の仕方を矯正し、バランスをキレイに整えられるという点にあります。
骨格の成長が伸び盛りの1期のうちに矯正を行えば、2期治療を行う際の負担がかなり軽減できます。
②歯並びを良くすることができる
「顎が小さい」「歯列の幅が狭い」などの理由で、永久歯が思わぬ方向に生えてしまうことがあります。
そうなると、矯正の難易度が上がり、場合によっては抜歯しなければならないケースもあります。
しかし、1期治療の段階で歯列矯正を行っておけば、永久歯を正しい位置に生やすように促すことが可能です。
また結果的に2期治療の負担が軽減されるので、矯正は早めに行った方がメリットは大きいでしょう。
③呼吸を改善する効果も期待できる
実は顎のバランスや歯列は、呼吸と密接な関わりを持っていることが確認されています。もしもお子様が「口呼吸」をしているなら、歯列矯正を検討してみると良いでしょう。
個人差はありますが、歯列矯正によって「鼻の通りが改善されて口呼吸を直すことができた」というケースが存在します。
④成人矯正よりも矯正効果を期待できる
成人になってからでも矯正することは可能ですが、子供のうちから早めに対処しておけば治療期間が短くて済み、抜歯をする必要もなくなります。
(5)目立たない歯列矯正の方法はあるの?
結論的には「子供のうち(1期・2期)から矯正を始めるとメリットが大きい」と言えます。
とはいえ、実際に矯正器具を装着すると、「人前で目立つ」という点が懸念材料になります。
1期治療は、歯の裏側に器具を設置することが多いので、見た目がほとんど気になりませんが、2期治療では本格的なワイヤー矯正が始まるので、「子供が学校で嫌な思いをしないかちょっと心配」という保護者の方もいると思います。
しかし安心して下さい。
子供向けの矯正には、人前で目立ちにくい治療法があります。
(5-1)舌側矯正治療
「舌側矯正治療」は矯正器具を歯の裏側に装着するため、矯正していることがわかりません。
矯正開始後も、これまで通り人目を気にすることなく普段の生活を送ることが可能です。
他にも、歯の裏側に矯正器具を付けるメリットがあります。
例えば、表側にワイヤー矯正器具を装着すると、スポーツで口をぶつけてしまった際にケガをしてしまう可能性がありますが、舌側矯正ならその心配もありません。
このように、生活のしやすさ・快適性も考慮して考えると、表側のワイヤー矯正よりも舌側矯正の方がおすすめです。
(5-2)マウスピース矯正
成人矯正の方法として人気を集めている「マウスピース矯正」。
透明のマウスピースを装着するため、人前で目立たないだけでなく、「痛みが少ない」というメリットもあるのが特徴です。
脱着が非常に簡単で、手入れも簡単です。
マウスピース矯正は、器具の違和感や煩わしさやストレスがほとんどないため、矯正器具の装着に抵抗を感じているお子様にはおすすめです。
マウスピースはプラスチックなので、器具が当たって怪我をする心配もほとんどありません。
部活やスポーツ教室で活発に運動をするお子様にぴったりです。
(6)まとめ
子供の矯正は、骨の成長をうまく利用して理想の歯列や噛み合わせを実現することができます。
不安なのは「人前で目立つ」という点ですが、舌側矯正やマウスピース矯正といった方法を採用すれば、日常生活で恥ずかしい思いをする必要がなくなります。
是非、お子様と相談して早いうちから歯列矯正を始めてみて下さい。