矯正歯科専門WEBメディア「ウィズスマイル」

中高年のための矯正治療|よく噛んで健康寿命を延ばす!

成長期の子どもや若い人のためというイメージが強い矯正治療。実際には年齢的な制約はなく、誰でも矯正治療はできます。健康寿命を延ばすためにしっかり噛むことが重要です。矯正治療によって不正咬合を治して、よく噛めるようになり、心身のすこやかさを保ちましょう。

この記事では、次の3つについて解説します。

 

・中高年の矯正治療と歯の噛み合わせの関係

・中高年で矯正治療するメリットと注意点

・代表的な不正咬合とよく噛むための矯正治療

1  中高年の矯正治療は噛み合わせを重視!

健康で長生きするために、しっかり噛める歯の健康が重要です。

厚生労働省の発表によると2019年の日本人の平均寿命は男性が81.41歳、女性が87.45歳。ともに過去最高を更新しました。

一方で2016年のデータによれば、自立した日常生活を送れる健康寿命は男性が72.14歳、女性が74.79歳と平均寿命と開きがあります。

 

いつまでも自立して楽しく暮らすために、中高年の矯正治療が注目されています。

若い人の矯正治療では、歯並びの美しさを追及するケースが多いですが、中高年では、健康寿命を延ばすために噛み合わせのよさに重点を置きます。

一見歯並びがよく見えても、噛み合わせがきちんとできていない人は、矯正治療によってしっかりと安定して噛める状態を目指します。

 

1-1   噛み合わせのよさは心身のすこやかさを支える

中高年になると、虫歯の治療や歯周病の影響で少しずつ噛み合わせが変化していく人が多いです。

若いときには、どんなものも噛めていたのに、と憂鬱な気持ちになることも。

歯の健康は、お口の中の問題にとどまらず、健康寿命や全身のすこやかさにも影響します。

中高年にとって、理想的な噛み合わせになることでよくなる点は主に4つです。

 

・栄養状態の改善と体力向上

噛み合わせが悪くなると、いちばん衰えるのが咀嚼機能です。

硬い食べ物を避けて、柔らかいものばかりを食べるようになり、食品に偏りが生じて栄養のバランスが乱れてしまいます。

噛み合わせをよくすれば、栄養状態がよくなり、筋肉量が増えて運動能力が向上します。

なにより、生きる活力を生み出します。

 

・歯の病気を防ぐ

噛み合わせがよくないと、噛める歯に頼ることになり負担が増えます。

前歯で噛み切り、奥歯ですりつぶすという歯の役割をすべての歯に担わせることで、特定の歯の虫歯や歯周病を防げます。

 

・認知症のリスク回避

どんなものでもしっかり噛める人は、あまり噛めない人よりも認知症発症のリスクが低いという研究データがあります。

認知機能を低下させないためには、しっかり噛める歯が大切です。

 

・脳血管疾患の発生リスク減少

噛み合わせのよさによって、脳血管疾患になる可能性を減らせます。

よく噛めば満腹中枢が刺激されたり、食欲を高めるホルモンの分泌を抑制したりすることで食欲が抑えられます。

噛み合わせのよい歯で脳血管疾患の原因となる肥満や生活習慣病を防げるのです。

 

2  中高年で矯正治療を開始するメリットと注意点

矯正治療を始めるときの、中高年ならではのメリットや注意点があります。

2-1 中高年で矯正治療するメリット

子どもや若い世代とは異なる中高年の特徴が矯正治療のメリットになる点を紹介します。

 

・痛みをコントロールしやすい

矯正は歯を動かすときの痛みを伴いますが、痛い時に子どもと違って食事を自分で決められます。

痛いと感じれば、麺類や雑炊など柔らかいものを食べたり、栄養不足にならないようにサプリメントを摂取したりするなどの工夫が可能です。

育ち盛りではないので、ダイエットも同時にできるかもしれません。

 

・矯正治療の計画が立てやすい

子どもには学校が、20~30代の働き盛りの人は仕事があって忙しいですが、40代以降の方はある程度時間がコントロールできる方が多くなります。

通院計画が立てやすく、ズレが生じにくくなります。

 

また、自分でいったんやる、と決めた人が多いので矯正治療に積極的になれます。

矯正装置が入れたあとの時間がかかる歯磨きも熱心で、常にお口の中の状態を入念にチェックできます。

その結果、トラブルにも早めに対応できて矯正治療がスムーズに進みます。

 

・治療済みの歯が多いので治療期間が短くなる

中高年になると、ブリッジや差し歯などの虫歯治療を施した、形を変えやすい歯が多いことが矯正治療のメリットになります。

子どもや若者の健康な歯は形を変えられません。

矯正治療の過程で歯の形を整えられれば、治療期間が短くできます。

2-2 中高年の矯正治療の注意点

矯正治療を始めるときは中高年ならではの、虫歯や歯周病などの状態によって注意しなければならない点があります。

 

・虫歯と親知らずのチェック

40代以上になると20年以上前に治療した歯があり、神経をとっていれば痛みがないまま虫歯が進行している場合があります。

歯根が病気になっていると矯正治療に支障をきたすため、レントゲン撮影ですべての歯をチェックしましょう。

また、前から6、7番目の歯がひどい虫歯で長くもたないと予想される場合は親知らずを使って矯正する場合があります。

親知らずのあるなしや、大きさ、向きなども虫歯チェックと同時に調べることが大切です。

 

・歯周病の進行度合いを見極める

歯周病が進行して歯槽膿漏がひどくなると、歯を支える骨がなくなります。

矯正治療で歯の動揺が落ち着かない場合があるので、矯正治療を行なうかどうかの判断が重要です。

 

・顎の関節の状態チェック

顎が鳴ったり、顎が痛かったり、口が開きにくかったりという症状がある人は「顎関節症」かもしれません。

5つの型に分類できて、噛み合わせが原因になるのは、そのうちのひとつです。

顎関節症の疑いがある場合は、矯正治療の前にその原因を明らかにするほうがよいでしょう。

3  代表的な不正咬合とよく噛むための矯正治療

きちんと咬み合わせられない状態を「不正咬合」といいますが、代表的なものを説明します。

3-1 不正咬合の種類

不正咬合には、大きくわけて「前後的な問題による不正咬合」「上下的な問題による不正咬合」「それ以外の不正咬合」の3種類があります。

 

・前後的な問題による不正咬合

上顎前突(出っ歯)と下顎前突(受け口)は前後的な問題による不正咬合です。

どちらの場合も前歯が噛み合わせられません。

 

・上下的な問題による不正咬合

過蓋咬合は上の前歯が下の前歯に深くかぶさっている噛み合わせです。

開咬は奥歯で噛みしめたとき、上下の前歯に隙間ができる噛み合わせで、一見きれいな歯並びの場合もあります。

 

・それ以外の不正咬合

全体的にデコボコしている叢生やすきっ歯の空隙歯列でも不正咬合になります。

また、交叉咬合は下の前歯が上の前歯より前に出たり、下の奥歯が上の奥歯より外側に出たりする咬み合わせです。

3-2  中高年のための矯正治療で使われる装置

顎の発育が終わった大人のための代表的な矯正治療の装置を紹介します。

 

・マルチブラケット

マルチブラケットは3次元的に歯を移動させる装置です。

歯の表側にブラケットという器具を貼り付けて、アーチワイヤーをブラケットの溝に通します。

ブラケットは金属製のほか、目立ちにくいセラミックやプラスチックがあります。

 

・矯正歯科用アンカースクリュー

アンカースクリューとはチタン合金製の小さいネジで、顎の骨に埋め込むことで歯を動かす際の固定源として用いられます。

 

・裏側矯正装置

一般的に歯の表側に装着する矯正装置を裏側に付けます。

目立ちたくない人に最適です。

 

・マウスピース

マウスピースは透明に近い素材でできており、上下の歯にかぶせても目立ちにくい装置です。

取り外しができるので、食事や歯磨きの時にも便利です。

まとめ 健康寿命を延ばすための中高年の矯正治療

健康で長生きするためには、しっかり噛むことが重要です。

よく噛める歯にすることで健康寿命を延ばせる可能性が広がります。

若い時に時間の制約が多くて矯正治療ができなかった人、興味があるけれど無理だと思っていた人もこの記事を参考にしてみてください。

この記事が気に入ったら
「評価」ボタンを押してください!

★★★★★

評価する

24時間web予約
pagetop
WEB予約
クリニックを探す