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半年以内に歯の矯正を終わらせる方法

治療終了までに平均2~3年の月日を要する歯列矯正。

綺麗な歯並びを手に入れるためとはいえ、決して短い期間ではありません。治療用の器具を装着しながらの生活はストレスになりますし、その期間が年単位に及ぶともなれば歯列矯正を躊躇してしまう人もいるでしょう。

 

しかし、医療の世界は日進月歩。「今日の常識は明日の非常識」とばかりに新しい技術が次々と誕生しています。

それは歯列矯正においても例外ではありません。専門家たちのたゆまぬ努力によって治療期間を従来よりも大幅に短縮する技術が確立され、「短い期間で歯列矯正を終わらせたい」というニーズに応えることに成功しているのです。

 

今回の記事では、歯列矯正を受けたいと考えている人にとって大きなハードルのひとつである「治療期間」を短縮する方法をご紹介していきます。長所だけではなく短所も併せてご紹介しますので、治療方法選択の判断材料としていただければ幸いです。

1.部分矯正

はじめにご紹介する治療方法は「部分矯正」です。

その名称からもわかる通り、前歯など限定された箇所に矯正を施す治療法になります。治療する歯の数が少ないため、すべての歯を移動させる通常の歯列矯正と比較すると、治療期間や治療費、肉体的・心理的ストレスなど多くの面で負担が少ない治療法だと言えるでしょう。

 

気になる治療期間についてですが、数か月~1年以内で矯正を終了させることができます。

 

症状の程度や治療する箇所にもよりますが、平均2~3年の治療期間を最短数か月にまで短縮することができるのは大きなメリットです。

治療したい箇所が少ない人や結婚式や就職などのために目立つ箇所だけでも急いで直しておきたいという人にとっては有力な選択肢となるのではないでしょうか。

1-1.デメリット

治療期間はもちろん、その他の面でも負担の少ない部分矯正。

良いことばかりのように思えますが、やはりデメリットはゼロではありません。

部分矯正のデメリットをご紹介していきましょう。

 

通常の歯列矯正は歯を全体的に正しい位置へ動かすため、嚙み合わせを改善することができます。しかし部分矯正の場合、前歯など限られた箇所だけの治療に留まるため、嚙み合わせを改善することはできません。

 

歯を抜いたり削ったりしなければならないケースがあるのもデメリットのひとつです。部分矯正では限られたスペースの中で歯を動かしていくので、歯が動くスペースを確保するためにそのような処置が必要となる場合があります。

 

そもそも部分矯正に適していないケースもご紹介しておきましょう。

歯のデコボコが激しい人、骨格自体に問題がある人は部分矯正の適応外になってしまいます。通常の歯列矯正など別の治療法を検討する必要があります。

 

仕上がりの完成度は通常の歯列矯正に劣るという点も見逃してはいけないデメリットです。

ただし、「クオリティよりもスピードを重視したい」などの事情がある場合は、スピードのメリットがクオリティのデメリットを上回ることになるでしょう。

2.インプラント矯正

歯科領域で「インプラント」と聞くと、歯を失った箇所に人工歯根を挿入して人工の歯を植え付ける手術のことを想像する人が多いでしょう。

 

その技術を歯列矯正に応用したのが「インプラント矯正」です。

 

小さなインプラントを歯茎の下にある歯槽骨に設置し、そこを支点として歯を動かしていきます。ごく簡単な処置で、通常のインプラントと違って外科的手術は必要ありません。

 

従来の歯列矯正では、歯と歯をワイヤーで繋ぎ、お互いに引き合う力を利用して歯を徐々に動かしていました。「お互いに引き合う」という部分が厄介で、これは動かしたくない方向にも力が働いてしまうことを意味します。つまり、無駄な力が働いていたわけです。

 

インプラント矯正はこの弱点を克服し、歯槽骨に埋め込んだインプラントを支点として、動かしたい方向だけに力をかけることが可能になりました。効率的に歯を動かしていくことができるので、治療終了までの期間が短くなるのです。また、従来の技術では困難だった方向への歯の移動も可能となりました。

 

使用するインプラントはごく小さな物で、局所麻酔で簡単に埋め込むことができます。歯が動くスペースを確保するために抜歯をする必要もなく、身体への負担が非常に少ない治療法だと言えるでしょう。

2-1.デメリット

治療が短期間で終わり、身体への負担の少ないインプラント矯正ですが、優れた治療法にもやはりデメリットは存在します。

 

まず最初に挙げられるのが、インプラント挿入部の炎症です。ごく小さな物とはいえ異物が身体に挿入されているので、炎症が起きる可能性はゼロではありません。

インプラント周辺はブラッシングなどで清潔を保つ必要があり、お手入れが不十分だと炎症を起こしてしまうことがあります。

 

また、挿入したインプラントが抜けてしまったり、不安定になってしまうリスクもあります。この場合、位置を変えて埋め込む必要があります。身体への負担が小さいとはいえ、改めて埋め込む手間がかかりますし、それまでの期間は矯正自体が中断してしまいます。

 

インプラント矯正が適応外になってしまうケースもご紹介しておきましょう。

 

この治療法に適していないのは、顎の骨がまだ成長過程にある若年者です。そのため、顎の骨の成長がおおむね完了する高校生以上を適応としている歯科医が多くなっています。

 

インプラントは骨に埋め込むので、重度の骨粗しょう症などで骨の量が少なくなっているケースも適応外となります。

また、歯周病があって歯肉の状態が悪い場合、インプラントがぐらつくなど不安定になってしまうため、歯周病の治療を優先する必要があります。

3.マウスピース矯正 + 光加速装置

最後にご紹介するのは、ふたつの治療法を併用して治療期間を短縮する方法です。

 

ひとつ目の治療法がメインで、ふたつ目の治療法はその補助的な役割を果たします。ふたつの治療法を併用することにより、大きなメリットが生まれるのです。

 

各治療法の説明とそれに伴うデメリットをご紹介していきましょう。

3-1.マウスピース矯正

ひとつ目は「マウスピース矯正」と呼ばれるもので、専用のマウスピースを装着することにより、徐々に歯を目的の位置へ動かしていく治療法になります。

 

マウスピースは患者さんの歯の形に合わせた完全オーダーメイドで、治療の進行具合に合わせて定期的に新しい物に交換していきます。

新しいマウスピースへの交換頻度は患者さんによって異なりますが、平均で7日~10日ごとに交換していくイメージです。

 

他の歯列矯正器具と違って着脱可能なため、食事の時に取り外すことも可能で、お手入れも簡単だという点は大きなメリットだと言えるでしょう。

3-2.デメリット

マウスピース矯正は身体に負担の少ない治療法ですが、まったく短所が無いわけではありません。

矯正器具が着脱可能である点はすでにご説明しましたが、それはメリットであると同時にデメリットに繋がる要素でもあります。

 

食事の際などにマウスピースを外すことは可能ですが、外していても差し支えない時間は1日のうちでごくわずかです。1日22時間以上の装着が必要で、マウスピースを外していたり、正しく装着されていない時間が長くなると治療に悪影響を与えてしまいます。

 

マウスピース矯正はどのような症状にも対応できるわけではありません。歯並びの悪さが重度の場合、治療の適応外となることがあります。

また、骨格自体に問題がある場合や重度の歯周病がある場合も治療の適応外となります。

 

失った歯の代わりにインプラントを入れている場合も要注意です。インプラントの歯は矯正で動かすことができないため、入れている本数が多い場合はマウスピース矯正の適応外となってしまいます。

3-3.光加速装置

ふたつ目にご紹介するのは「光加速装置」を使用した治療法です。光加速装置自体に歯並びを改善する効果はありませんが、マウスピース矯正と併用することで治療期間を大幅に短縮することが可能になります。

 

光加速装置による治療は、近赤外線が照射される装置を口に咥えるだけ、といたって簡単です。

近赤外線には骨や組織を活性化させる効果があり、歯が動くことで破壊された箇所の再生サイクルを促進してくれます。そのため通常よりも速いペースで安全に歯列矯正を進めていくことが可能になるのです。

また、治療の痛みを軽減させる効果も報告されています。

 

照射時間は装置によって異なりますが、毎日5~10分とごく短時間の使用で済み、日常生活の負担になることはありません。

 

光加速装置を使用することによって、平均で7~10日だったマウスピースの交換ペースを3~4日に短縮することが可能です。治療に要する期間は患者さんによって異なりますが、光加速装置を併用するメリットが非常に大きいことがおわかりいただけるでしょう。

3-4.デメリット

治療期間を短縮するだけでなく、安全性まで高めてくれる光加速装置。手間や危険性もなく、目立ったデメリットはありません。

 

あえて挙げるとすれば、毎日必ず使用しなければならない点でしょうか。“毎日”と言われると少し難しく感じるかもしれませんが、歯みがきなど毎日欠かさずおこなっている日課とセットにしてしまえば忘れることはないはずです。

4.まとめ

従来の歯列矯正よりも短い期間で治療が完了する矯正方法を3種類ご紹介してきました。

 

どの方法にも一長一短があるので、それらを踏まえた上で治療方法を選択する必要があります。また、症状の程度や身体の状態、持病などによっては希望する治療方法を選択肢から除外せざるを得ないケースも少なくありません。

 

つまり、今回の記事の目的である「治療期間を短くすること」を諦めなくてはいけない場合もあるということです。

どの治療方法が自分にとってベストなのか、冷静な視点で見極めていくことが求められます。

 

しかし、今はインターネットなどで情報が手に入りやすくなった時代とはいえ、やはり患者さんが自分ひとりで治療方法を選択するのは非常に難しいことです。

 

そこで頼りになるのが、医学的な知識と経験を持った専門家。つまり歯列矯正の担当医です。

まずは実際に歯の状態を診てもらい、専門家の見解を聞くのが最善の治療への第一歩になるでしょう。

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