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部分矯正のメリット・デメリットってどんなこと?

時間もお金もかかるというイメージがある歯列矯正。

 

そんなイメージを覆す治療法として人気を集めているのが部分矯正です。

 

「気になる箇所だけ矯正したい」という方のニーズにピッタリの部分矯正ですが、光があれば影もあるのが世の常というもの。決して良いことばかりではありません。

 

メリットとデメリットをしっかりと把握し、自分にとって部分矯正が最良の選択なのかを見極めた上で治療を受ける必要があります。

 

その見極めをする上で必要な情報をご提供するのがこの記事の目的です。

 

部分矯正のメリットとデメリットをご紹介していきましょう。

1.部分矯正とは

部分矯正とはその名の通り、前歯など限られた箇所に対して歯列矯正をおこなうことです。

 

詳しいメリット・デメリットについては後述しますが、すべての歯を動かすわけではないので歯列矯正に伴う様々な負担を軽減することができます。

 

就職面接や結婚式などライフイベントに向けて部分矯正を希望される方が増えており、年々その注目度が高まっている治療法です。

2.部分矯正のメリット

近年、人気が急上昇している部分矯正。

 

通常の歯列矯正と比較した場合、部分矯正はどのような点で優れているのでしょうか?

 

部分矯正のメリットをご紹介していきましょう。

2−1.治療期間の短縮

部分矯正のメリットして真っ先に挙げられるのが、治療期間が短くて済むという点でしょう。

 

通常の歯列矯正では約2年~3年かかるところを、部分矯正であれば数か月~1年以内で矯正が終了します。

 

部分矯正の治療箇所として人気の高い前歯は、奥歯と比較すると非常に動かしやすい歯です。そのため、短い期間で目的の位置まで移動させることが可能です。

2—2. 治療費の軽減

通常の歯列矯正と比べて治療に要する費用が安い点も部分矯正の大きなメリットです。

 

治療期間が短いこと、矯正装置を着用する歯が少ないこと、このふたつの要素が部分矯正にかかる治療費を押し下げています。

 

先ほどご紹介した治療期間のメリットと併せ、「時間もお金もかかる」という歯列矯正のハードルをかなり下げることができるのではないでしょうか。

2—3. 肉体的・心理的負担の軽減

治療期間・治療費という2大巨頭以外のメリットもご紹介していきましょう。

 

部分矯正は歯を全体的に移動させていく通常の歯列矯正と比べ、痛みが少ないと言われています。これは治療する歯の本数が少ないためです。

 

痛みの感じ方は個人差が大きいので「気にならない程度の痛み」とは断言はできませんが、歯列矯正に伴う痛みが心配だという方には大きなメリットになるでしょう。

 

また、矯正装置が一部の歯にしか装着されていないため、食事の際の違和感などが通常の歯列矯正よりも少なくなります。

 

食事は生活を送る上で必要不可欠な行為なので、それに伴うストレスが軽減されるのは非常に大きなメリットだと言えるでしょう。

 

このように肉体的・心理的負担が軽くて済むのも部分矯正のメリットのひとつとなっています。

2—4. 口腔内ケアが簡単

歯列矯正では歯に装置を装着するため、装置の隙間などに歯ブラシが上手く入っていかず、歯みがきが不十分になってしまうことがあります。

口腔内が不潔な状態では虫歯や歯周病のリスクが高まり、歯列矯正を中断する原因にもなりかねません。

 

部分矯正では通常の歯列矯正と比べて装着する装置の数が少ないため、入念に歯みがきをおこなう必要がある箇所が少なくなります。

しっかりと歯みがきをしなくてはいけないことに変わりはありませんが、口腔ケアにかける時間や手間がかなり軽減されるのは大きなメリットだと言えるでしょう。

3.部分矯正のデメリット

メリットを知れば知るほど良いことだらけのように思える部分矯正ですが、デメリットがないわけではありません。

 

自分にとって都合の良い部分だけを見てしまうのが人間の性ではありますが、デメリットにもしっかりと目を向けることが重要です。

 

治療を始める前に知っておくべき「部分矯正のデメリット」をご紹介します。

3−1.噛み合わせは治せない

通常の歯列矯正では、歯並びを整えると同時に正しい噛み合わせを作っていきます。

 

しかし、部分矯正では噛み合わせを改善することはできません。

 

部分矯正をすることによって他の歯とのバランスが悪くなり、噛み合わせに問題が生じるケースもあります。

噛み合わせが悪いと食べ物を上手くすり潰すことができなくなるなど、生活をする上で重要な動作に支障をきたします。噛み合わせを犠牲にすることは生活の質を低下させることに繋がりかねません。

 

そのような問題が予見される患者さんにとっては、部分矯正ではなく通常の歯列矯正が最良の治療法だと言えるでしょう。

3—2.デコボコが激しいと対応できない

部分矯正で特定の歯を動かそうとする場合、歯が動くためのスペースが必要になります。

 

しかし、歯と歯が重なり合って密集しているようなデコボコの歯並びでは、部分的に歯を動かすことが非常に難しく、全体的に歯を動かす普通の歯列矯正が適しています。

 

車がたくさん停まっている駐車場内で特定の車だけを動かすことを想像してみてください。

 

近くの車が駐車場内に引かれた白線を無視してゴチャゴチャに停まっていたとしたらどうでしょうか?

他の車にぶつかることなく目当ての場所へ移動するのは難しいですよね。

「まずは他の車を動かさないと無理だな…」と考えるのが自然でしょう。

 

部分矯正もそれと同じで、歯を動かす前提として適度なスペースが必要となります。

スペースが無いのに無理に動かした場合、部分矯正をする前よりも見映えが悪くなってしまうことがあるので要注意です。

3—3.歯を抜く・削る必要がある

前項「デコボコの激しい歯並び」の中で、部分矯正には歯が動くためのスペースが必要であることをご説明しました。

 

歯並びのデコボコが軽度の場合、歯を削ったり、抜歯をしたりして歯が綺麗に並ぶためのスペースを確保することになります。

削る量はわずかで健康に影響が無いレベルですが、必要以上に歯が削られてしまったという事例も報告されています

 

部分矯正では限られたスペース内で歯を移動させなくてはならないため、“削る・抜く”といった身体に負担がかかる手段でスペースを捻出せざるを得ません。

しかし、通常の歯列矯正であれば奥歯も含めて全体的に歯を動かしていくので、部分矯正よりもスペースの確保が容易になります。

 

部分矯正を考えている方は、ご自身の歯並びではどのくらい歯を削ることになるのか、または歯を抜くことになるのかを慎重に確認する必要があるでしょう。

3—4.最終的な完成度は…?

部分矯正は全体的な歯列矯正に比べると、どうしても最終的な完成度という点で劣ってしまいます。

 

見た目を整えるということに重点を置いているため、前述した噛み合わせの問題も含め、歯が本来持っている機能を改善するという効果は期待できません。

 

根本的な治療ではないので、部分矯正終了後に再び歯並びが悪くなってしまったという残念なケースも報告されています。

 

逆に言えば、最終的な完成度よりも「短い期間で歯並びを綺麗にしたい」という点を重視する方には部分矯正を選択するメリットが大きいとも言えるでしょう。

4.まとめ:自分にとってベストな選択を

部分矯正のメリットとデメリットをご紹介してきました。

良い部分についての情報ばかり集めていた方にとっては、少々驚くような話もあったのではないでしょうか。

 

後悔の無い治療を受けるためには、事前にメリットとデメリットをしっかりと精査し、自分にとってメリットが大きい治療法はどれなのかを適切に見極める必要があります。

 

しかし、患者さん自身がメリットとデメリットを正確に評価するのは非常に難しいことです。

信頼のおける歯科医師を見つけ、事前に納得いくまで説明を受けられることをオススメします。

 

「自分が受けたい治療」と「医学的にベストな治療」が常に一致するとは限りません。

 

「自分にとって何がベストなのか?」

 

その問いを常に忘れず、最良の治療法を選び取ってください。

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