しばしば矯正歯科のホームページや院内のパンフレットで目にする「認定医」と「指導医」の肩書。一体この違いは何なのでしょうか。「その肩書は信用できるの?それとも誰でも持てる肩書なの?」と気になっている方もいると思います。
実は、この肩書は歯科医院の矯正技術が信用できるかどうかを判断するための重要な資格なのです。そこで本記事では、矯正歯科における「認定医」と「指導医」の違いについてわかりやすく解説します。
目次
(1)矯正歯科における「認定医」と「指導医」の違いとは
まず結論からいいますと、「認定医」と「指導医」は、日本矯正歯科学会の公式な資格です。国内の数ある資格制度のなかでも非常に審査が厳しく、相応の経験と技術が求められます。
資格基準 | |
日本矯正歯科学会認定医 | ・日本矯正歯科学会に5年以上在籍している
・指導医のもとで5年以上矯正治療に携わっている ・論文を発表している ・日本矯正歯科学会の認定試験に合格している |
日本矯正歯科学会指導医 | ・大学機関で矯正歯科の教育を3年以上行っている |
わかりやすくいえば、「認定医」はプロフェッショナルとして学会に認められたことを証明する資格のことで、「指導医」はその認定医の卵を育てる教育者の資格ということです。
したがって、ホームページや院内のパンフレットで「認定医」の資格を見かけたときは、その歯科医師の矯正技術が、学会に認められるレベルには達していると判断できます。
(2)指導医は技術が問われない?注意するべき点
認定医は、最終的に日本矯正歯科学会の資格試験に合格することで技術・知識を証明します。
しかし指導医(日本矯正歯科学会指導医)は、先述したように、あくまでも「大学機関で矯正歯科の教育を3年以上行っている」という経歴さえあれば与えられる資格ですので、実は技術的な力量は問われません。
そのため、矯正歯科医が「指導医である」という事実をもって「技術的に信頼できる」という判断材料にはなりえないのです。この点にはくれぐれも注意するようにしましょう。
(3)最も技術に優れているのは「日本矯正歯科学会臨床指導医」(旧:専門医)?その理由とは
同じ「指導医」という名称が付いているものの、日本矯正歯科学会指導医とはまったく意味の異なる資格があります。それが、「日本矯正歯科学会臨床指導医」です。「臨床」という言葉が入っているのがポイントとなります。
かつて「専門医」と呼ばれていた「日本矯正歯科学会臨床指導医」は、高度な技術を持つ一流の矯正歯科医師であることを証明する資格です。
この資格を持つ医師なら、かなりの信頼と実績のある技術を持っているといえるでしょう。
(4)まとめ
今回は、矯正歯科における「認定医」「指導医」「臨床指導医(旧:専門医)」の違いについて取り上げました。
これらは日本矯正歯科学会の公式な資格です。矯正を相談しようと思っている歯科医院が技術的にどれくらい信頼できるかを推定する重要な判断材料となりますので、ぜひ参考にしてみてください。
「ホームページのプロフィールに記載されていない」「待合室のどこにも資格を証明するものが見当たらない」という場合は、納得して治療をまかせるためにも、歯科医師に資格の有無を直接伺ってみることをおすすめします。
資格名 | 技術レベル |
日本矯正歯科学会認定医 | 学会の認める技術水準に達している |
日本矯正歯科学会指導医 | 技術は問われない |
日本矯正歯科学会臨床指導医
(旧:専門医) |
高度な矯正技術を持っている |