歯列矯正と聞くと、長い期間や高額の治療費がかかる印象がありますよね。
自分には無理だと、治療をあきらめていませんか?
今回は、短期間で一部分のみ治療を行う、「部分矯正」についてご紹介します。
目次
- 1. 部分矯正のメリット
- 1-1.メリット①短期間で治療が完了する
- 1-2.メリット②金額は、全体矯正のおよそ半額!
- 1-3.メリット③痛みが少なくて済む
- 1-4.メリット④裏側矯正で、器具を見せずに矯正できる
- 1-5.メリット⑤歯の寿命を延ばすことができる
- 1-6.メリット⑥他の歯の治療にも役立てられる!
- 2.部分矯正のデメリット
- 2-1.デメリット①完成度は全体矯正に劣る
- 2-2.デメリット②治療後に、歯並びが崩れることがある
- 2-3.デメリット③マウスピース矯正は全体に装着する必要がある
- 3.部分矯正ができないケース
- 3-1.ケース①噛み合わせに問題がある場合
- 3-2.ケース②歯並びの凸凹が大きすぎる場合
- 3-3.ケース③クロスバイト・ディープバイトの場合
- 4.適切な病院を選ぼう!
- 5.まとめ
1.部分矯正のメリット
部分矯正とは、歯の全体ではなく一部のみの矯正治療を行うことを言います。
出っ歯やすきっ歯など、状態の悪い歯とその周辺のみにワイヤー器具を取り付けて、治療を行います。
部分矯正は全体矯正に比べると手軽で、たくさんのメリットがありますよ。
1-1.メリット① 短期間で治療が完了する
部分矯正の最大のメリットは、6カ月~1年ほどで治療が完了することです。(症例によって期間は前後します。)
全体矯正をすると数年かかってしまいますが、部分矯正だと約半分の期間で治療ができると言われていますよ。
矯正を始めてしまうと同じ病院に通い続けなくてはいけないので、進学や転勤などで長期に渡って通院できない可能性がある方は特に、部分矯正がおすすめです。
1-2.メリット② 金額は、全体矯正のおよそ1/3!
部分矯正の治療にかかる費用は、15万~30万円程度と言われています。
全体矯正だと100万円前後かかるので、費用もかなり安く抑えられますね。
金額面で迷っている方は、矯正のできる歯科をいくつか回り、カウンセリングを受けてみましょう。
支払い方法は、矯正治療が完了するまでの分を一括で支払うタイプと、治療ごとに費用が発生するタイプの病院があります。
1-3.メリット③ 痛みが少なくて済む
部分矯正治療でも、初回の矯正治療後1週間くらいは、痛みがあるようです。
しかし、ワイヤーでの部分矯正の場合、矯正している箇所のみに痛みが発生するため、治療部を避けて噛むことが可能です。
そのため、全体矯正と比べて痛みが少なくなり、矯正中の飲食もしやすくなります。
矯正期間中は、器具が当たる箇所などで口内炎もできやすいため、なるべくバランスのよい食事を心がけましょう。
1-4.メリット④ 裏側矯正で、器具を見せずに矯正できる
ワイヤーを使った部分矯正治療は、全体矯正と同じく、裏側矯正が可能です。(症例によります。)
特に、前歯を治療する部分矯正の場合は、目立ちやすいため、裏側矯正にされる方が多いようです。
接客業や人前に立つお仕事の方も、裏側矯正なら安心して治療することができますね。(※表側のワイヤー矯正に比べて、費用は高くなります。)
1-5.メリット⑤ 歯の寿命を延ばすことができる
部分矯正は前歯を治療するイメージが強いですが、実は奥歯も治療できます。
奥歯が倒れていたり、まっすぐに生えていない場合は、奥歯の部分矯正をすることで、ご自身の歯の寿命を延ばすことができますよ。
1-6.メリット⑥ 他の歯の治療にも役立てられる!
部分矯正は、見た目をきれいにするだけではなく、他の歯の治療にも役立ちます。
部分矯正で歯と歯の間に適切な隙間を設けることで、他の歯に入れ歯やブリッジを作ることもできます。
治療中に歯科医師から提案があった場合は、検討してみてくださいね。
2.部分矯正のデメリット
ここまでメリットについてお伝えしましたが、部分矯正にはデメリットもあります。
2-1.デメリット① 完成度は全体矯正に劣る
部分矯正は短期間で安く治療できますが、一部だけしか動かさないため、完成度は全体矯正に劣ります。
細かな微調整をして、よりきれいに仕上げたい場合は、全体矯正がおすすめです。
2-2.デメリット② 治療後に、歯並びが崩れることがある
ご自身の歯は常に生きているので、部分矯正完了後に歯並びが崩れることがあります。
前歯だけを治療した場合、奥歯がずれてきて、噛み合わせが悪くなってしまうこともあるんです。
1期の矯正治療で、以後ずっと良い状態が続くわけではないことも、念頭に置いて治療を受けましょう。
2-3.デメリット③ マウスピース矯正は全体に装着する必要がある
部分矯正は、ワイヤーを使わずマウスピースで行う方法もありますが、矯正する部分だけではなく、全体に装着する必要があります。
痛みは少なくて済みますが、装着時の違和感は全体に及んでしまいます。
3.部分矯正ができないケース
メリット・デメリットをご紹介しましたが、そもそも部分矯正は、すべての症例で出来るわけではありません。
ここからは、部分矯正ができない場合をご紹介します。
3-1.ケース①噛み合わせに問題がある場合
上下の噛み合わせに問題がある場合は、一部分だけを矯正することができません。
全矯正をして、噛み合わせの問題を治しましょう。
3-2.ケース② 歯並びの凸凹が大きすぎる場合
部分矯正は、症状が軽度の方向けの治療法です。
歯並びの凸凹が大きすぎる場合も、部分矯正はできません。
可能かどうかは矯正歯科医師の判断が必要なので、カウンセリングを受けましょう。
3-3.ケース③ クロスバイト・ディープバイトの場合
クロスバイト(交叉咬合)の場合は、上下の歯がクロスしていて、噛み合わせを見て治療を行う必要がある為、上の歯だけ・下の歯だけの部分矯正はできません。
また、ディープバイト(過蓋咬合)の場合は、矯正後に後戻りを防止するリテーナーを付けられないため、全体的に治療を行う必要があります。
最後に、矯正治療をする病院の選び方についてご紹介します。
4.適切な病院を選ぼう!
矯正治療は、認定医や専門医のいる歯科医院で受けることをおすすめします。
また、矯正治療中に虫歯や歯周病になってしまうこともあります。
そのような時にも対処してくれる歯科医院を選びましょう。
5.まとめ
矯正で歯並びを整えると、自信を持って歯を見せて笑うことができます。
部分矯正か全体矯正、どちらを選ぶかは、矯正歯科医師とよく相談して決めてくださいね。