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知っておくべき!矯正治療「12のリスク」

矯正治療は「リスクが無さそう」と思われがちです。

しかし、どんな治療にもリスクがあるのと同様に矯正治療にもあります。

 

「リスクを知ることは、成功の近道」でもあります。

なぜなら、リスクを知り管理することで、治療で起きる危険を最小限にできるからです。

 

そこで今回は、矯正治療の12のリスクについて解説していきます。

 

矯正治療をしたいと思っている方は、是非この記事を参考にして下さい。

1 矯正治療「12のリスク」

矯正治療には、次のようなリスクがあります。

 

それぞれのリスクについて、詳しくみていきましょう。

1-1:見た目

矯正治療は、ワイヤー矯正という方法が一般的です。

 

ワイヤー矯正とは、金属のワイヤーとブラケット(歯に圧力をかける小さい装置)を歯の表面に固定して、歯を整える治療法です。

 

ワイヤー矯正は金属を使用しているので、ギラギラした見た目が、気になる方も少なくありません。

 

最近では、金属部分をプラスチックやセラミックに変えて、目立たなくすることが可能です。

 

とはいえ、矯正しているのを他人に知られたくない場合には、次のような矯正方法があります。

 

・リンガル矯正

・マウスピース矯正

 

リンガル矯正は、金属のワイヤーとブラケットを歯の裏側に固定する治療法です。

裏側に装置を取り付けるため、他人から装置が見えることはほとんどありません。

 

また、マウスピース矯正は、透明なプラスチックのマウスピースを歯に被せる治療法です。

使用するマウスピースは透明で、装着しているのかわからないほど見た目が良いのが特徴です。

 

リンガル矯正は費用が高額になったり、マウスピース矯正は適応条件が限られたりするケースがあります。

1-2:歯痛がでる

矯正治療の歯の痛みは、歯が移動している証拠になります。

 

特に装置の付け始め~1週間は、痛みを感じやすいです。

 

また、矯正治療を開始する時には、装置が口の中にある不快感も強くなりがちです。

1-3:発音しにくい

矯正治療中は、発音しづらくなります。

 

例えば、歯の裏側にワイヤー装置を固定した場合には、舌の動く範囲が限定されるため、舌っ足らずのような話し方になりやすいです。

 

特に、「サ行」「タ行」「ラ行」といった、舌の動きが必要になる言葉は発音しづらいでしょう。

 

とはいえ、1ヶ月もすれば装置が付いている状態にも慣れて、発音が改善する可能性が高いです。

 

1-4:エナメルクラック

エナメルクラックとは、歯の表面のエナメル質に亀裂のような線が入る現象のことです。

 

矯正治療中やブラケット装置の撤去時に、強い力がかかりすぎると、エナメルクラックが起きやすくなります。

 

できた線が、歯が割れるほど深く進行している場合には、治療が必要です。

1-5:歯肉退縮・ブラックトライアングル

歯茎が下がって、歯の根が露出するのを歯肉退縮と言います。

 

歯茎が薄かったり、歯を支えている骨の厚みがなかったりすると、矯正時に歯肉退縮を引き起こしやすくなります。

 

特に、歯周病の進行があった場合には、さらに歯茎の位置が下がって歯が長く見えやすいです。

 

また、歯と歯の間に三角形の隙間ができることを、ブラックトライアングルと言います。

 

この現象は、元々重なっていた歯の下に骨が存在しないことで起きるケースがほとんどで、元の歯並びが前後で重なっている状態の方は、なりやすいでしょう。

1-6:歯根吸収・歯髄炎

歯根吸収とは、長かった歯の根が短くなることです。

 

歯根吸収は、歯に強い力がかかったり、歯の移動距離が長かったりするのが原因で起きると考えられています。

 

また、どの矯正方法でも多少の歯根吸収が起きる可能性があります。

しかし、矯正治療で起きる歯根吸収は、軽度で問題になることはほとんどありません。

 

他にも過度な力が歯に加わりすぎると、歯の神経に炎症が起きて痛みが生じたり、神経が死んでしまったりする原因になります。

1-7:顎関節症

顎関節症は口が開けにくくなったり、痛みが生じたりします。

 

矯正治療中は、歯を少しずつ移動していくので、時期によって噛み合わせの位置が違うのです。

 

噛み合わせが一時的に強く当たっている時には、耳の横の関節周辺にダメージが増えて顎関節症を引き起こしやすくなります。

 

噛み合わせが正しい位置になると、症状は改善されます。

1-8:抜歯

歯を並べるスペースがない場合には、抜歯が必要になります。

 

抜歯をせずに歯を並べる方法もありますが、できる条件が限られていることがほとんどです。

1-9:外科治療

歯並びが悪くなる原因は、次の2つに分かれます。

 

・「歯の生え方」が原因で歯並びが悪くなる

・「顎の位置がずれている」のが原因で歯並びが悪くなる

 

歯が原因の場合には、矯正装置だけで歯並びを整えることができるケースがほとんどです。

 

しかし、顎の位置が原因の場合には外科手術が必要になる可能性が高いです。

 

特に、受け口(下顎が上顎より前にでている)の状態によっては、顎の骨の一部を切除する処置が必要になります。

 

また、歯と顎の骨がくっついて動かないという骨性癒着(こつせいゆちゃく)の性質を持っている方は一度、歯を脱臼させてから歯を移動させる処置を行います。

 

脱臼させても歯が動かない時には、歯の周りの骨を削るコルチコトミーという外科手術をすることもあります。

1-10:治療期間

矯正の治療期間は、約1~3年が一般的です。

 

元の歯並びの状態や歯並びをどこまでキレイにするかによって、治療期間が変わってきます。

1-11:後戻り

矯正治療でキレイになった歯並びが、元の状態に戻る現象を「後戻り」と言います。

 

歯には元の位置に戻ろうとする性質があって、後戻りを防ぐためにはリテーナーという装置を一定期間付け続ける必要があります。

 

また歯科医院によっては、リテーナーを長期的に使い続けるのを勧めるところもあります。

1-12:金属アレルギー

金属を使用しているワイヤー矯正では、金属アレルギーを発症する可能性があります。

そのため、金属アレルギーのある方はワイヤー矯正ができない場合があります。

 

マウスピース矯正は、プラスチックの材料を使用しているので、金属アレルギーの方でも治療が可能です。

 

しかし、歯科医院によっては使用しているマウスピースのメーカーが異なります。

 

マウスピースの種類と歯並びの状態によっては、マウスピース矯正が適応できないケースがあるため注意しましょう。

2 矯正のリスクを「最小限にする5つの方法」

矯正治療のリスクを最小限にするには、次の5つのことを意識しましょう。

 

・術者の経験や高度な技術

・自分の意見をしっかりと伝える

・歯科医師の指示を守る

・ブラッシング指導を受ける

・メインテナンスに通う

 

それぞれについて、詳しく解説します。

2-1:術者の経験や高度な技術

矯正治療は、見た目以外に噛み合わせも重要です。

 

噛み合わせの位置が少しずれているだけで、他の歯に負担がかかって、しっかりと噛めなく

なります。

 

また、歯を無理に移動させたり、過度な負荷を歯にかけたりすると、歯の周りの組織にもダメージがかかります。

 

歯や組織にダメージが少なく歯並びをキレイにするためには、術者の経験や技術は欠かせません。

 

ホームページがあれば、矯正医の経験年数所属している学会、スタディグループを確認しましょう。

 

スタディグループとは、定期的な勉強会のことです。

常に勉強し続ける姿勢は、新しい知識や技術を学んでいる証拠のひとつになります。

2-2:自分の意見をしっかりと伝える

・自分の理想の歯並び

・矯正装置の見た目

・大切なイベントがあり、その時までに歯並びがキレイでいたい

 

などの要望は、事前に担当医に伝えるようにしましょう。

 

例えば、ワイヤー矯正の装置を歯の表側に固定した後、「やっぱり目立つから装置を変更したい。」となっても、装置を変えるのは可能です。

 

ただ、新しい装置を決めるまでに期間が空いてしまったり、費用がさらにかかったりすることがあります。

 

歯科医院によっては、変更を断られるケースもあるので、自分が納得できるまで担当医と話し合って、治療法を決めましょう。

2-3:歯科医師の指示を守る

矯正装置は、長時間の装着が必要です。

 

例えば、マウスピース矯正は、1日20時間以上の装着が必須です。

マウスピースは取り外しが可能な分、装着時間が短くなると歯は動きません。

 

予定より歯が移動していないと、治療期間がさらに延びてしまいます。

 

短期間で歯並びをキレイにするには、指定された装着時間や歯科医師の指示を守ることが大切です。

2-4:ブラッシング指導を受ける

矯正装置によっては歯磨きが難しくなり、虫歯歯周病になりやすいです。

 

特にワイヤー矯正の装置の周りには、汚れが溜まりやすく、歯ブラシを当てるのが難しくなります。

 

また、矯正治療中に虫歯や歯周病の症状が悪化した場合には、治療に専念するために矯正を一度、中断することもあります。

 

矯正治療中の虫歯や歯周病を防ぐためにも、歯磨きのやり方の指導を受けて、口の中を清潔に保つようにしましょう。

2-5:メインテナンスに通う

日々の歯磨きだけでは、取り切れない汚れがあります。

 

歯石は、柔らかい汚れが石のように固くなって、歯の表面や装置にこびり付いていることがあります。

 

歯石は歯ブラシでは取れないので、歯科医院で除去してもらいましょう。

 

定期的な検診は、細かい汚れを取る以外にも、装置が壊れていないかの確認や口臭予防にもなります。

3 矯正治療のリスクを知り、理想の歯並びを手に入れよう!

矯正のリスクを最小限にするには、矯正医だけではなく、患者さんの協力が欠かせません。

 

また、リスクになるような行動を避けることが、「矯正治療の成功」に繋がります。

 

まずは、自分の場合にはどんなリスクが起きやすいのかを、担当医と話し合うことから始めましょう。

 

リスクを恐れるのではなく、正しく理解し回避して、理想の歯並びを手に入れましょう。

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