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矯正後の歯並びを事前確認する方法|iTeroで3Dシミュレーション

歯列矯正をはじめるときに、3Dで立体的に矯正後の歯並びを確認できる方法があります。マウスピース矯正のインビザライン治療では、矯正前にAIを搭載した「iTero(アイテロ)エレメント」でシミュレーションが可能です。型取りが必要ないので、嘔吐反射が起きやすい人も安心です。この記事ではiTeroを使う治療前診断とインビザラインについて詳しく解説します。

1 iTeroで自分の歯並びをデザイン

インビザラインでマウスピース矯正を行なうときに、「iTero(アイテロ)エレメント」を使うことで治療後の歯並びが立体的に確認できます。

矯正治療は、虫歯の治療よりも治療期間が長くて治療費用も高額です。

そのため、患者さんは「本当にキレイな歯並びになるのか?」と不安になりがちですよね。

 

事前に治療期間や理想的に整えられた歯並びがわかれば、安心材料になります。

また、従来は歯並びのデザインに患者さんの意見が反映しにくかったのですが、ドクターと一緒にデザインできて矯正治療に前向きになれるでしょう。

 

ここからはiTeroについて詳しく見ていきます。

2 iTeroとは?

iTeroはアメリカ・インディアナ州に本社がある「ジンマー・バイオメット」が開発した歯科用の口腔内スキャナーです。

「iTeroエレメント」という機器は、歯科診療を新たな次元へと導きました。

従来から口腔内の確認は、模型やレントゲン写真に頼ってきました。

最新の「iTeroエレメント5D」では、3Dデジタル画像や口腔内カラー写真に加えて、近赤外光画像で歯牙の状態を再現可能です。

2-1 iTeroの原理

近赤外光画像(NIRI)技術を用いて、歯牙の内部構造をスキャンしてデータ化。

歯牙の表面にスキャナーを当てるだけで、近赤外光の透過を阻害する象牙質や虫歯などは白っぽく映ります。

 

また、視覚化機能を搭載した3Dデジタル印象をたった1回のスキャンで取得。

リアルな立体的画像で歯並びを確認できます。

2-2 iTeroの特徴

視覚化機能が強化され、複数の角度から口腔内の状態を見ることが可能です。

データはアウトカム・シミュレーターを利用して、矯正治療の終了時の状態をビジュアル情報として得られます。

3 iTeroのメリット

iTeroは矯正治療だけでなく、う蝕の発見やインプラント、入れ歯作成にも活躍する機能を搭載しています。

矯正治療におけるiTeroを使用したときのメリットについて説明します。

3-1 矯正治療のモチベーションを保つ

矯正治療をはじめる前に、治療後の美しく整った歯並びをリアルに確認できるので、不安軽減につながります。

美しくなった歯並びのイメージを描きやすく、長期間にわたる矯正治療へのモチベーションが保ちやすくなります。

3-2 歯並びのデザインが自由にできる

立体的な3D画像を見ながら、患者さん自らデザインに参加できるので、ドクターに任せきりにならず、積極的に取り組めるでしょう。

3-3 矯正治療前の虫歯治療

矯正治療の前には虫歯治療を行なう必要があります。

iTeroの近赤外光画像によって、隣接面の見つけにくい虫歯を発見できるので、速やかに対応できます。

3-4 放射線照射なし

レントゲン撮影とは異なり、放射線を照射せずに口腔内の隅々まで、現在の状態を再現できるので安心です。

3-5 型取りをしない

矯正治療では、正確な口腔内の状態を知るために模型が必要です。

そのため、シリコンなどの印象材を口の中に入れて固まるまで我慢しなければなりません。

iTeroによって、嘔吐反射が起きやすい患者さんは型取りの苦しさから解放されます。

3-6 口腔内の再現性の精度アップ

型取りによる方法では、シリコン印象材に石膏を流し込んで模型を作成しますが、印象材を外すときのひずみや石膏の種類などで誤差が生じる可能性があります。

 

iTeroを使用すれば、口腔内の再現性の精度が5~10倍向上します。

微妙な力で歯を移動させる矯正治療にとって、最初の状態を正しく把握することは重要です。

3-7 インビザライン・システムとデータを連携

iTeroで取得されたデータはマウスピース矯正のインビザライン・システムと連携。

インビザラインの持つ600万症例のデータをもとに、適切な治療法をAIが分析します。

 

事前診断にiTeroを使うことで、より大きなメリットが期待できるインビザラインについて説明します。

4 インビザライン・システムとは?

インビザライン・システムは、アメリカで開発されました。

先進的な技術を追及したマウスピース矯正で、透明なマウスピース型の装置(アライナー)を歯に装着して歯並びを整える治療方法です。

理想的な歯並びを実現するため、段階ごとに新しいマウスピースに交換しながら歯を少しずつ移動させます。

 

インビザラインはマウスピース矯正の先駆け的な治療方法ですが、ほかにも「キレイライン」「アリアライナー」「クリアコレクト」などがあります。

インビザラインの予測実現性への技術開発が、矯正をはじめる前に矯正後の歯並びの確認を可能にしました。

 

iTeroによる事前診断とインビザラインの臨床データの豊富さが融合することで大きなメリットが生まれるのです。

4-1 インビザラインの特徴

インビザラインは独自の3D治療計画ソフトウェアを使用して、治療前~治療完了までの歯の移動を画像や動画として、視覚的に把握することが可能です。

矯正治療が不安な患者さんも立体的にどうなるかを確認できると安心できるでしょう。

4-2 インビザラインの治療の流れ

インビザラインの矯正治療はとてもシンプルです。

 

・治療計画の作成

初診時に写真・レントゲン、デジタルスキャン、歯牙の型取りをします。

iTeroの使用によって、従来の型取りの必要がなくなり、患者さんの負担が軽減されるのです。

 

・3D治療計画の作成

現在の歯並びから最終的な歯の位置を段階的に3D画像によって確認できます。

これによっておおよその治療期間もわかります。

 

・アライナーの製造

カスタマイズされたアライナーが製造されます。

 

・アライナーの装着

患者さんは毎日アライナーを装着して、1~2週間で新しいアライナーに交換します。

 

・治療経過の確認

およそ4~6週間に1度通院して、治療経過を確認します。

4-3 インビザライン治療に適さない症例

インビザライン・システムは多くの症例に適用できますが、適さない症例もあります。

あてはまる可能性があれば事前に歯科医師に相談しましょう。

 

・重度の叢生

歯並びのデコボコが大きく、顎が小さいことで歯が一列に並びきらない場合は、歯を抜いて大きく動かすため、ワイヤー矯正のほうが適しているケースがあります。

 

・重度の受け口や出っ歯

骨格を原因として、大きく下の前歯が出っ張る受け口や、上の歯が前に出ている出っ歯は、歯並びは整っても受け口や出っ歯そのものは治療できません。

このような場合は外科的な処置が必要になる可能性があります。

 

・インプラントが複数ある場合

インプラントはスクリュー型の土台を骨に埋め込んでおり、歯根膜がありません。

矯正治療では少しずつ歯根膜に力を加えて歯を移動させます。

インプラントには歯根膜がないため、移動させることができないのです。

4-4 インビザラインの費用

インビザラインにかかる費用は、部分矯正か全体矯正かによって異なりますし、歯科医院ごとに設定している料金も違いがあります。

おおよそ、部分矯正では30~40万円、全体矯正は70~100万円が相場です。

医院によって調整料金が4千円~1万円かかるところもあります。

 

治療前の相談やiTeroによる治療後のシミュレーションは無料の歯科医院もあります。

むつかしい症例だけでなく、どんな歯並びになるか気になる患者さんも気軽に歯科医院で相談してみましょう。

4-5 インビザラインのメリット

インビザラインには次のようなメリットがあります。

・治療中に目立ちにくい

インビザライン・アライナーは透明で目立ちにくいので、矯正治療中だと気づかれにくいです。

 

・取り外し可能

インビザライン・アライナーは取り外しが可能。

そのため治療中でも歯のお手入れがいつも通り行なえます。

また、パーティーや会食など、多くの人と会って食事をするときは外せるのも便利です。

 

・装着感が良い

インビザラインのテクノロジーによって、装着感の良さを実現。

アクティブなライフスタイルにも適しています。

 

・メンテナンスの回数が少ない

通院は4~6週間に1度で一般の矯正治療よりも期間が長いため、忙しい患者さんにとって理想的です。

まとめ  iTeroによる事前診断で矯正治療の不安解消

目立ちにくく取り外しができることがメリットのインビザライン・システム。iTeroによる診断では、治療前に治療後の歯並びを確認できて、型取りの不快感もないことが、大きなメリットです。治療期間が長く、費用も高い矯正治療に対する不安は、3D画像を事前に見ることで軽減できるでしょう。マウスピース矯正に興味がある方はぜひこの記事を参考にしてください。

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