透明で目立たず、手入れも楽々。「マウスピース矯正」は、矯正治療の方法の中でも特に人気を集めています。

 

しかしそこでちょっと気になるのが、乱杭歯や八重歯といった「叢生」（そうせい）の矯正です。果たしてこの厄介な歯列を、マウスピースで矯正することができるのでしょうか。

 

本記事では、「叢生」の基本を解説しながら、マウスピース矯正で改善に導ける可能性について取り上げていきます。「歯並びがガタガタで、若い頃から悩んでいる」「接客業だから、気軽に矯正治療に踏み出せない」という方は、ぜひご一読ください。

歯と顎の大きさのバランスが崩れると、すべての歯が綺麗に生えそろうことができず、結果として「歯のねじれ」「重なり合い」などを引き起こしてしまいます。こうしたデコボコした歯並びの状態を「叢生」（そうせい）と呼びます。

 

おそらくみなさんも、「乱杭歯（らんくいば）」「八重歯（やえば）」という言葉を聞いたことがあるでしょう。これらの歯並びの状態も、広義の意味で「叢生」に分類されています。

 

一般的に「叢生」の治療では、一部の永久歯を抜いてスペースを確保し、おかしな生え方をしている歯を、矯正器具で徐々に正常な位置に戻していくことになります。

「叢生」になりやすいといわれている現代人。その理由の一つには、「顎が小さい」ことが挙げられます。

 

顎が小さいと“小顔”を連想するため、しばしば肯定的に受け入れられがちですが、先述したように、すべての永久歯が生え揃う十分なスペースを確保できないという問題に直面します。

 

では、どうして顎が小さくなってしまうのでしょうか。「幼い頃から柔らかい食べ物を食べている」「よく噛んで食べる習慣が薄れている」「単純に遺伝的要因」といった見解が一般的です。

 

またその他にも、「歯が大きい」という理由で歯並びが悪くなり、「叢生」を引き起こしてしまう場合もあります。どちらにせよ、歯と顎の大きさのバランスが深く関係していることは確かです。

歯列が「叢生」状態になっている患者の中には、「チャームポイントだから八重歯のままでいい」「矯正治療が面倒だから放置している」と考える方も決して少なくはありません。しかしこの状態を放置していると、様々なデメリットを受けることに……。

当然ですが、例えば乱杭歯の歯列は、見た目を大きく損なうことになるため、その人の印象にも多大な影響を及ぼしてしまいます。

 

「口元がコンプレックスで、人前で思い切り笑えない」「歯並びが原因で発音がうまくいかない」といった問題に悩まされているなら、矯正治療で歯並びを改善してみませんか？就職活動を控えている学生の方や接客業に従事している方にもおすすめです。

「叢生」は歯並びがガタガタとしていますので、歯磨きのブラッシングがうまく行き届いていない可能性があります。

 

ブラッシングが不十分であるということは、虫歯と同時に歯周病に陥るリスクも高くなるということです。口元の健康を守るためにも、乱杭歯などは早期に治療したほうがよいでしょう。

「首や肩の張りが消えない」「口内炎ができやすい」といった症状にお心当たりはありませんか？

 

不自然な嚙み合わせになってしまう「叢生」は、虫歯や歯周病だけでなく、顎の筋肉に負担をかけて慢性的な肩こりや頭痛を引き起こしたり、歯が唇の裏側に当たって口内炎ができてしまったりしてしまいます。

マウスピース矯正で「叢生」を改善へと導くことは可能です。

 

先述したように、もともと「叢生」の治療では、一部の永久歯を抜き、矯正器具の力で確保したスペースに歯を移動させるのが一般的でした。

 

用いる矯正器具は、いわゆる「ワイヤー型」タイプ。歯の表面にワイヤーを装着し、適切な方向に力を加え続けることで、歯を移動させていきます。

 

しかしこの治療方法は、「矯正器具を装着するのが面倒」「器具を付けていることを周囲に知られたくない」「接客業だから装着したくない」といった懸念や不満が患者から寄せられるケースも少なくありません。

 

それにワイヤー矯正器具は、手入れも大変で、日常生活でかなりのストレスを感じてしまう方も多くいらっしゃいます。

 

そこでおすすめなのが、マウスピース矯正です。透明なマウスピースなら、前歯に装着しても非常に目立ちにくく、気兼ねなく人前で喋ったり笑ったりすることが可能です。この矯正方法には、以下のメリットがあります。

 

・目立ちにくい

・脱着が簡単で洗浄しやすい

・抜歯をしなくても矯正できる可能性がある

・乱杭歯や八重歯にも対応可能

 

「接客業だからワイヤー矯正器具を付けるのは厳しい」「歯を抜きたくない」「矯正器具を装着し続けるのはストレスを感じそう」という方には、マウスピース矯正がおすすめです。

 

ただし、歯の状態によってはマウスピースでは対応できないケースもありますので、まずは歯科医師に相談してみましょう。

顎が小さい現代人に多く見られるようになった「叢生」は、ワイヤー矯正とマウスピース矯正から選ぶことができます。

 

透明で目立たないマウスピース矯正なら、仕事やプライベートでもほとんど問題なく使用し続けることが可能ですので、激しく動くスポーツを普段から行っていたり、接客業に従事したりしている方にはぴったりの選択肢だといえるでしょう。