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「受け口」を治したい!治療期間・費用の相場は?

「受け口」は下の前歯が上の前歯より前方に出た歯並びのことで、見た目のほかにも「食べ物が噛みにくい」「発音がしづらい」などの問題を生じてしまいます。その受け口を治す方法としては「矯正治療」が第一選択となりますが、歯並びや顎の状態によって治療法や期間、費用などが大きく異なります。以下にその具体的な内容についてご紹介しますので、受け口を治したい方は今後の治療の参考にしてみましょう。

1.「受け口」には2つのタイプがある

受け口には大きく2つのタイプがあり、それぞれのタイプで治療法や期間、費用などが異なります。

 

まず1つ目は上下の顎の大きさや形は正常で、歯の位置や並び方に問題があるタイプの受け口です。このタイプの受け口は以下にご紹介する「ワイヤー矯正」「裏側矯正」「マウスピース矯正」などの矯正治療で歯並びを治すことができます。また前歯のみが受け口の状態にあるケースでは、「部分矯正」での治療も可能です。

 

2つ目は上下の顎の大きさや形に問題があるタイプの受け口です。具体的には下の顎が上の顎と比べて大きい、あるいは前方に出てしゃくれているケースなどが当てはまります。このタイプの受け口の治療には外科治療をともなうことが多く、顎の大きさや位置を正常に戻してから矯正治療を行うのが一般的です。矯正治療のみで改善が見込まれるケースもありますが、顎の「出っ張り」や「しゃくれ」については矯正治療のみで治せないため注意しましょう。

 

各治療法の具体的な内容や費用、期間については、次項に詳しくご紹介していきます。

2.「受け口」の治療法

2-1.ワイヤー矯正(表側矯正)

歯の表側に「ブラケット」という装置を貼りつけ、そこにワイヤーを通して歯を動かすワイヤー矯正は、幅広い症例に対応でき、受け口の治療にもよく用いられます。装置が目立ちやすいがデメリットですが、近年は透明なブラケットや白いワイヤーなども誕生し、以前よりも治療中の見た目のストレスが軽減できるようになっています。

 

費用は70万円から100万円前後で、他の治療法よりも安く抑えられるのがメリットの1つです。また治療期間は2~3年程度が目安となります。このサイトに加盟している医院では(WITH SMILE)50万円でご提供しています。

2-2.裏側矯正

通常は歯の表側に装着するブラケットやワイヤーを、すべて歯の裏側に装着して歯並びを改善していきます。歯を動かすメカニズムは従来(表側矯正)と同じなので、基本的にどの歯並びにも対応できます。治療中も装置がほとんど目立たないことから、接客業や営業職をはじめ、モデル・タレント業の人にも人気のある治療法です。

 

一方で治療には専用の装置が必要なほか、歯科医師にも高度な技術が求められるため、費用も100万円から150万円と他の治療法よりも高額になります。治療期間は表側矯正と同じく2~3年程度が目安です。このサイトに加盟している医院では(WITH SMILE)80万円でご提供しています。

 

 

2-3.マウスピース矯正

複数のマウスピースの装着・交換を繰り返しながら、歯並びを整えていきます。使用するマウスピースは薄く透明なため、装着しても目立ちにくく、違和感が少ないのが特長です。またマウスピースは自身で取り外しができ、食事や歯磨きも治療前と同様に行うことができます。

 

マイナス面としては1日20時間以上の装着が必要なこと、治療できる歯並びが限られていることなどが挙げられます。さらにマウスピースの着脱は患者側に任されており、歯科医の指示通りに装着しないと良好な結果が得られない場合もあるため注意が必要です。

 

費用の相場は70万円から100万円前後ですが、複雑な歯並びになると140万円ほどかかるケースもあります。治療期間は2~3年が目安です。このサイトに加盟している医院では(WITH SMILE)60万円でご提供しています。

2-4.インプラント矯正

直径1~2mm、長さ6~10mmの小さなネジ(スクリュー)を歯ぐきの骨に埋め込み、そこを固定源にして歯を動かしていく治療法です。奥歯を固定源にする従来のワイヤー矯正よりも歯を大きく動かしやすく、また多くの歯を同時に動かせるのが特長です。これにより治療期間が大幅に短縮できるほか、これまで治療が難しいとされていた歯並びの改善も可能になります。とくに受け口の治療では、従来は外科手術が必要な受け口でも、手術をしないで改善できるケースが増えています。

 

費用の相場は通常のワイヤー矯正の費用にスクリュー代を加えたもの(1本あたり2万~5万円程度)になります。治療期間は症例によって異なりますが、多くのケースで従来の治療よりも半年から1年程度短縮されます。

2-5.部分矯正

部分矯正は前歯の歯並びに限定した治療法です。受け口の治療では、前歯の歯並びだけが上下で反対(下の歯が前方にある)ケースや、前歯の数本だけ気になるケースなどに部分矯正が用いられます。使用する装置は、上記でご紹介した装置のいずれかから選択が可能です。

 

部分矯正のメリットは、治療する部位が限られるため費用が安くなるほか、治療期間も短縮できる点です。費用の目安は10万円から50万円ほどで、どの治療装置も上記の価格の1/6~1/2程度まで抑えられます。また期間も早くて数カ月、長くても1年程度で治療が終わります。

2-6.外科的矯正治療

骨格的に問題のある受け口は、多くのケースで外科治療が必要となります。手術は全身麻酔下で行われ、下顎の骨を一部切り取り、顎を後方に移動して金属のプレートで固定します。入院期間は2週間程度です。

 

また矯正治療については、手術の前後で行うのが一般的です。術前矯正では歯並びの凹凸や噛み合わせなどを大まかに整え、必要に応じて抜歯処置を行います。術後の矯正治療では顎の大きさに合わせて歯並びや噛み合わせを細かく調整し、仕上げの作業を行っていきます。手術と矯正治療をあわせた期間の目安はおよそ2~4年です。

 

受け口の外科的矯正治療については手術・矯正治療のいずれにも保険が適用されます。目安としては手術が25万円前後、矯正治療が30万前後です(3割負担の場合)。

 

ただし矯正治療で保険を適用できるのは、「顎口腔機能診断施設」の基準を満たし、国からその指定を受けた矯正歯科医院に限られます。顎口腔機能診断施設の指定医院リストは、日本矯正歯科学会のホームページに記載されているため、事前に確認しておきましょう。

(参照)「矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは」 日本矯正歯科学会

3.「受け口」は子どもの時期に治すのがベスト

受け口は遺伝的な要因以外に、食事の際に下顎を前に突き出すクセや、舌で下の前歯を押し出すクセなども受け口になる原因になります。幼少期にこのようなクセのある子どもについては、これらの悪癖を早期に改善すると、受け口になるのを防ぐことができます。

 

また遺伝的・発育的な要因による受け口も、子どもの場合は骨の成長を利用しての治療が可能です。具体的には下顎の成長を抑える装置や、上顎の成長を前方に誘導させる装置などを使用することで、上下の顎の位置や大きさバランスを整えることができます。後から人の手を加えるのではなく、成長による自然な力を利用しての治療は身体的・経済的な負担も少なく、さらに治療後の後戻りも少ないのがメリットです。

4.「被せ物」で受け口は治せる?

骨格的な問題(顎の大きさ・位置)がなく、症状も軽度な受け口については、被せ物を使った治療でも改善できます。具体的には前歯を削り、そこへ被せ物を入れて受け口の状態を治していきます。被せ物による治療では歯並びだけでなく、歯の色や形も変えられるのもメリットです。費用は使用する材質によって異なりますが、1本あたり10万円から20万円程度、期間は1~3ヶ月程度が目安になります。

 

ただし健康な歯を削るリスクを考えると、受け口を被せ物で治す方法はメリットよりデメリットのほうが大きいといえます。また被せ物で治せる受け口については、部分矯正で治療しても期間・費用ともそれほど大きな差はないでしょう。どの治療にも必ずメリット・デメリットはありますが、治療法を選択する際は目先のことだけでなく、治療後の経過や長期的な予後についても考えておくことも大切です。

5.まとめ

受け口を治す方法は、矯正治療が第一選択治療となります。顎の位置や大きさに問題がない受け口は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などによる歯並び治療で受け口が改善できます。また骨格的な問題(顎が大きい・前に突き出ている)を抱える受け口では、その多くで外科治療が必要となります。外科的矯正治療は一般的な矯正治療より身体的負担は大きくなりますが、一方で費用には保険が適用できるため経済的負担は軽減できるでしょう。

 

ただどの治療法が適しているかは個々の歯並びや顎の状態によって異なります。矯正歯科医院の中には初回に限り無料でカウンセリングを行っているところもあるため、受け口を治したい人はひとまず専門家に一度相談してみましょう。

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