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子ども(小児)の歯列矯正|開始時期・装置・治療費は?

「子どもの将来のために、きれいな歯並びにしてあげたい」という願いは、誰しもが考えることではないでしょうか。ですが、いつから始めればいいのか、費用がどれくらいかかるのか、と悩まれるのも自然なこと。

この記事ではお子さんの歯並びが気になっている方のために、次の3つのポイントを解説します。

・小児矯正の開始時期:第一期治療と第二期治療

・小児矯正の装置:プレオルソ・床矯正・バイオネーター・拡大床

・小児矯正にかかる費用

1  小児矯正の開始時期はいつがいいの?

小児矯正と大人の矯正の大きな違いは、適切な開始時期があるかないかだといえます。大人は何歳であっても「矯正をしよう!」と決めたときに始められます。

まずは、子ども矯正におけるふたつの開始時期と子どもの頃から矯正を始めるメリット・デメリットを見ていきましょう。

1-1 第一期治療と第二期治療の違い

子どもには歯の生え変わりがあることから、小児矯正にはふたつの開始時期があります。

「第一期治療」は永久歯が生えそろうまでで、乳歯のみ~乳歯と永久歯の混在しているときです。

「第二期治療」は永久歯が生えそろってからになります。

それぞれの時期の特徴を説明します。

 

・第一期治療の特徴

第一期は個人差がありますが、おおむね乳歯が残っている3~12歳くらいの年齢が対象となります。

第一期の治療は歯並びを整えるための「土台作り」の時期といえるでしょう。

永久歯が理想的な位置に生えてきて、正しい噛み合わせができるように骨格を整える治療が中心です。

 

同時に、歯並びに影響する指しゃぶりなどの癖や習慣にも目を向けた治療をおこないます。

この第一期治療で永久歯がきちんと並んで生えそろえば、矯正治療は修了です。

 

・第二期治療の特徴

第二期は永久歯が生えそろう12歳~成人が対象です。

顎のバランスを整えた第一期と異なり、第二期の治療では「歯並びの改善」をおこないます。

第一期治療を終えて永久歯が生えてから、歯と歯の隙間や凹凸、ねじれを整えるのです。

第二期は大人と同様に、ブラケットとワイヤーを使った治療を中心に調整するのが一般的です。

装置が目立ちにくい「マウスピース」や「裏側矯正」も選択できます。

1-2 小児矯正を開始する時期を見定めるポイント

検診などで反対咬合だと指摘されれば、できるだけ早く第一期治療を始めるほうがいいでしょう。

反対咬合は骨格に問題がある場合が多く、幼い頃から開始すれば効果が得られやすいとされているからです。

 

親御さんは心配かもわかりませんが、骨格に問題がなければ簡単な装置で噛み合わせを改善できる可能性もあります。

下顎が発達しすぎて、上顎とのバランスが悪くなる場合も顎の発達を抑える治療ができます。

 

逆に、骨格の歪みなどの問題がない場合は第二期治療から開始するケースもあります。

たとえば、歯の大きさや生えている位置が原因になって、歯並びが乱れている場合などです。

 

いずれの場合も、骨格の問題の有無などはなかなかわかりにくいものです。

「ちょっとおかしいな」と感じたり、遺伝の可能性があったりする場合は、第一期治療ができるタイミングで専門医への相談をおすすめします。

1-3 小児矯正のメリットとデメリットとは?

大人と変わらない歯列矯正のメリットは以下の3つです。

 

・見た目のコンプレックスが解消する

・しっかり噛むことができるようになる

・磨きやすくなり虫歯や歯周病を予防できる

 

では、子どもならではのメリットやデメリットは何があるか説明します。

 

・小児矯正のメリット

子どもの矯正は顎の成長にともなっておこなわれます。

大人になってからの矯正だと、抜歯するケースでも子どもなら永久歯が生える隙間を確保できる可能性があります。

ほかに、定期的に矯正治療のために歯科医院に通うことによるメリットもあるでしょう。

 

・健全な顎の成長を助ける

・将来の抜歯のリスクを減らせる

・虫歯の定期的なチェックができる

・指しゃぶりや爪噛みなどの癖が直せる

 

・小児矯正のデメリット

大人と子どもの大きな違いは、「矯正する」ことをきちんと理解して積極的に治療に取り組めるかどうか、という点になるでしょう。

理解できないために装置を勝手に外してしまって、治療期間が長引くこともありえます。

 

また、大人よりも治療が長期にわたるため、子どもにとってストレスになる可能性があり、親御さんもハラハラされるかもしれません。

また大人よりも治療費が高額になりがちです。

 

このように親御さんにとって、矯正治療のメリットはわかっていても、心にブレーキをかけるデメリットがあるのも確かです。

小児矯正の治療は親御さんの協力が不可欠ですから、メリットだけでなくデメリットも知ることも大切でしょう。

2 小児矯正の装置はどんなものがあるの?

小児矯正には骨が完全に発達してしまう時期ならではの治療や骨格の問題を解決するための治療があります。

そのため大人の治療には用いない、小児矯正だけで使う装置について知ることが大切です。

2-1  プレオルソとは?

「プレオルソ」は永久歯が生え変わる前に使う「マウスピース式矯正装置」です。

80年以上前から使われている「機能的顎矯正装置」を新素材によってマウスピースに改良されました。

家にいるときと、寝ているときだけ装着するため、お子さんの負担も少ないでしょう。

 

取り外しができるので、学校や外出先でも見た目を気にせずにすみ、歯磨きもきちんとできるのが特徴です。

骨が柔らかい10歳くらいまでの時期に使用すれば、大きな効果が期待できます。

2-2  床矯正とは?

「床(しょう)矯正」は乳歯と永久歯が生え変わる時期に使用する取り外しのできる装置です。

永久歯がそろってからの補助的な装置として使用されることもあります。

口の裏側の粘膜部につける樹脂製のプレートと、歯にかける金属ワイヤーによってできています。

プレート部分にバネやネジを埋め込んで歯を移動させます。

いくつかの種類があります。

 

・アクティブプレート

1~2本の内側に入っている歯を押し出して歯並びを整えます。

 

・バイトプレート

乳歯と永久歯が入り混じった混合歯列期の過蓋咬合(深い噛み合わせ)を改善するために使用します。

歯を前後だけでなく垂直的にも移動させるのが特徴です。

 

・ジャンピングプレート

奥歯の嚙み合わせを高くして下の前歯を前に傾斜させ、前歯の噛み合わせを整える装置です。

2-3  バイオネーター(機能的矯正装置)とは?

「バイオネーター」は上顎前突(出っ歯)の症例に使われることが多い、取り外しのできる夜寝ている間に使用する装置です。

出っ歯は上の歯が前に突き出しているだけでなく、下顎の発育が十分でないケースがあります。

6~11歳くらいの成長期に使用によって、顎の骨そのものに働きかけるためバランスのとれた成長が促進できます。

バイオネーターは樹脂製の床と金属ワイヤーでできており、床の真ん中に拡大ネジが取り付けられています。

基本的には上下ともに装着します。

2-4  拡大床とは?

拡大床はバイオネーターと同じく樹脂製のプレートと金属ワイヤーでできた装置で、夜寝ている間に装着します。

弱い持続的な力がかかるネジを使用し、顎の横方向の成長を促すのが特徴です。

使用する時期は上の前歯4本が生えそろったときから、永久歯が生えそろうまでです。

乳歯と永久歯の混合歯列時期に十分な隙間ができれば、自然に歯並びが整うことが期待できます。

3  小児矯正にかかる費用は?

歯科矯正治療は自由診療になるため、歯科医院によってさまざまなのが現状です。

独占禁止法で料金を協定できないという理由もあります。

実際に症例による治療期間にも差があり、1回の通院ごとに費用がかかる場合とかからない場合があります。

 

第一期治療に使う床装置は25,000~70,000円ほどで、成長に応じて装置を交換します。第一期治療全体の相場は、200,000~400,000円程度です。

 

第二期治療は、一般的な大人の矯正治療とほとんど変わりません。

第一期治療よりもやや費用は高めで、250,000~650,000円程度かかるでしょう。

 

まとめ  小児矯正は開始時期が大切

小児矯正は治療を開始する時期が大切です。

第一期治療だけで、きれいに永久歯が生えそろえば、その後にかかる費用を節約できるだけでなく、お子さんにストレスもかかりません。

小児矯正の第一期治療で使用する装置は取り外しができるものなので、きちんと装着することが大事です。

できるだけ長く装着できるよう、親御さんの協力が必要となります。

お子さんと二人三脚で、きれいな歯並びを目指される人はこの記事を参考にしてください。

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