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3D光学スキャナー「i-Tero」とは/苦しい型取りがなくなった

矯正治療の装置として開発され、日本の歯科医院にも導入され始めているi-Tero(アイテロ)という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。

 

まず最近の矯正治療において、これまでのワイヤー矯正とは異なる人気のマウスピース矯正があります。目立たないため周囲に対して恥ずかしいこともなく、食事や歯磨きの際に外せるなど多くのメリットが人気の矯正治療です。

 

マウスピース矯正を行うためには、患者さんの口内を知るために正確な型取りをする必要があります。しかし従来の印象材(シリコンのようなもの)による型取りでは正確性に欠けたり、患者さんが不快な思いをするなどの問題点がありました。

 

そこで当記事では、最近の歯科矯正において話題となっている装置のi-Teroをご紹介します。これまでの型取りとはなにが異なるのか、あるいはどんなメリットがあるのかについても詳しくご説明します。

1. 型取り不要のi-Teroとは

i-Teroという装置をひと言で表すと「口の中を立体的に映し出す光学スキャナー」です。

 

最近では人気のマウスピース矯正には、まず印象材を使った「型取り」作業を行います。そして矯正治療の質を上げるためには、患者さんの口内の状態をより正確に得る必要があるため、約6分(片顎で約3分)は静止していなければいけません。

 

一方で高精度なスキャンが可能なi-Teroは、面倒な型取りの必要がない上に精密な情報をよりスピーディーに読み取ることができます。口内の細かなデータを精密に得られることで、結果として矯正治療の質も大幅に上がるという理想の最新装置です。

2. i-Teroの特徴とメリット

口の中を短時間で簡単にスキャンできるi-Teroですが、具体的にはどんな特徴があるのでしょうか。これまでの印象材を使わないことで得られるメリットも含めてご紹介します。

2-1. たった1分で高精度のスキャニング

i-Teroはこれまでの印象材による型取りに比べ、はるかに高精度なデータを得ることができる装置です。しかも作業時間はわずか1分程度とされ、スピーディーなデータ撮影を行えるという特徴があります。

 

印象材の型取りのように時間をかけることなく、どんな患者さんであっても簡単に口内データをスキャンできるのです。

 

2-2. スキャン画像をその場で確認

i-Teroでスキャンしたデータは、撮影を終えたその場でモニターに映し出すことができます。モニターに映し出された歯の状態を患者さんが確認できる上に、一本一本の歯を画面上で動かしながら、希望する歯並びをシミュレーションできるのです。

 

i-Teroのシステムは、歯科医師だけでなく患者さんにとっても治療のイメージがしやすく、安心して矯正治療を行える理想の装置です。

2-3. マウスピース作製までの日数が速い

わずか1分ほどで口内のデータが得られるi-Teroを利用すると、短時間でマウスピースの作製が開始されます。

 

例えば海外で作製が行われるメーカーの場合は、型取りからマウスピース作製の開始までに1~2週間程度が必要です。その理由は、印象材をもとに作られた石膏の模型を航空便で発送するために日数がかかってしまうのです。

 

一方i-Teroは型取りも石膏の模型もつくる必要がありません。スキャンした歯型のデータをネットによって送信するだけなので、スピーディーなマウスピースの作製が可能になったのです。

3. これまでの型取りの負担がない

これまでの印象材による型取りは面倒だったり、患者さんによっては負担があったりと好まれない面があります。しかしi-Teroを利用した場合、患者さんが感じていたデメリットが大きく改善されました。

3-1. 吐き気(嘔吐反射)が起こりにくい

患者さんの口内の形状によっては、印象材を乗せたトレーによる型取りの工程が負担になることがあります。また、嘔吐反射に敏感な方であまりにも吐き気がひどい場合は、表面麻酔をするなどの対応が一般的です。

 

i-Teroのスキャンカメラは先端が小さく、口内に当てないよう配慮することで嘔吐反射も大幅に軽減されます。

3-2. 印象材の独特な味や不快感がない

印象材は、ピンク色などのシリコンのようなものというとイメージしやすいと思いますが、患者さんによっては誤飲してしまうというケースがあります。また、味覚に敏感な方は不快な味を感じるなど、ある程度の負担は避けられませんが、i-Teroではあらゆる負担を感じることなく治療を行えるのです。

3-3. 型取りのやり直しや失敗がない

印象材による型取りは素材が固まるまでの間、じっと動かずに静止していなくてはいけません。

 

動いたつもりがなくても取り外した後に少しでも動いた形跡があれば、正しい歯型が取れずにやり直しになってしまいます。また、印象材が固まった後うまく外れずに破損してしまうことも少なくありません。そのため子どもはズレることが多いとされていますが、大人であってもやり直しは起こり得ます。

 

光学機器でデジタル撮影するi-Teroは、型取りの必要がないため失敗もやり直しもありません。

4. 3D光学スキャナー「i-Tero」とは「まとめ」

i-Teroはこれまでの印象材による型取りと比べ、あらゆる工程が異なっていることがお分かりいただけたでしょうか。

 

患者さんにとって負担となっていた点が解消されることは、同時に歯科医院にとっても矯正治療が行いやすくなったと言えるでしょう。i-Teroによる歯型のスキャンは、一般的な型取りよりも10日ほど早くマウスピースが完成するなど、総合的に見ても多くのメリットがあります。さらに、インビザラインなどあらゆるメーカーに活用できるため、マウスピース矯正に興味のある方にとって最適な装置です。

 

i-Teroはまだ多くの歯科医院に導入されている装置ではありませんので、希望する場合は歯科医院の無料カウンセリングにて問い合わせてみましょう。

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