矯正歯科専門WEBメディア「ウィズスマイル」

「マウスピース矯正」と「ワイヤー矯正」、何が違うの?

「友達と話をしているとき、歯並びが気になって口を開けて笑えない」

「人前に出る仕事に就くことになったので、歯並びを治したい」

そういうときには、歯科医院で矯正治療を受けられることをおすすめします。

 

矯正治療は子どものうちしか受けられない、というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は矯正治療は「受けたい」と思ったその日から誰でも始められるのです。

 

矯正治療は、使う矯正器具の種類により、「マウスピース矯正」「ワイヤー矯正」の2つに分かれます。この記事では、どちらがどう違うのか、それぞれの特徴を踏まえながら見ていきましょう。

1 マウスピース矯正とは

マウスピース矯正は、無色透明のマウスピースを使用して歯を徐々に移動させる治療法です。マウスピースは、ラグビーやボクシングなど、身体を接触するスポーツで使うものというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、歯の矯正治療にも使われます。

 

マウスピース矯正で使用する装置はいくつか種類がありますが、ここでは「インビザライン」と「アソアライナー(旧名:クリアアライナー)」の2つをご紹介します。

1-1 インビザライン

インビザラインとは、アメリカのアライン・テクノロジー社が開発・製造している矯正装置のことです。事前にコンピューターで歯の動きをシュミレーションし、治療開始時にすべてのマウスピースを作成して1~2週間ごとに取り換えるので、衛生的に使える点がメリットです。

 

インビザラインが適応できる症例は今まである程度限られていたのですが、昨今では世界中から臨床データが集まってきており、今までインビザラインでの治療が難しかった歯のかみ合わせや歯のねじれの治療にも利用できるようになっています。

1-2 アソアライナー(旧名:クリアアライナー)

アソアライナーとは、日本国内の矯正専門の技工所が開発・製造している矯正装置のことです。装置を取り換えるたびに歯型を取って新しいマウスピースを作成するため、正確に歯を動かすことができます。インビザラインに比べてプレートが薄いので、目立ちにくい点もメリットです。

1-3 インビザラインとアソアライナーを比較してみよう

インビザラインとアソアライナーの特徴を比較すると、以下のようになります。

どちらにも一長一短があるので、お口の中の状態治療のスケジュールに合わせて選ぶとよいでしょう。

 

インビザライン アソアライナー
厚さ 約0.5 mm 約0.3mm
材質 表面が柔らかなプラスチック製 プラスチック製で軟性・硬性の2種類ある
製作期間 約2ヶ月 約3週間
歯列矯正以外の治療 歯の形を変えられないので、歯を削る治療ができない 歯を削る虫歯の治療などができる
型取りの回数 初回のみ 5~10回(マウスピースを作るたびに行う)
適応症例 抜歯しなくても治療可能な症例

歯根の移動が必要ない抜歯の症例

インビザラインよりも適応症例が限られる
装置をつける時間 1日20時間以上 1日17時間以上
装置の交換回数 20~40回 5~10回
治療期間 1.5年~2.5年程度 数ヶ月~3年程度
通院頻度 2~6週間に1回 3~5週間に1回

 

 

1-4 マウスピース矯正のメリット・デメリット

インビザライン・アソアライナーを含むマウスピース矯正のメリットとデメリットは以下のとおりです。

 

<メリット>

  • 装置が無色透明なので目立ちにくい
  • 違和感が少ない
  • 自由に着脱ができる
  • 食事や歯磨きのときに装置を外せる
  • お手入れがしやすい
  • 医療用プラスチックを使用しているため金属アレルギーの心配がない

 

<デメリット>

  • 1日17~20時間以上と、長時間装着することが必要。
  • 決められた時間装着しなければ、装置の作り直しが生じる可能性がある
  • 歯と歯が重なっている、顎の位置が上下でずれのある場合は適応できない

2 ワイヤー矯正とは

ワイヤー矯正は、「ブラケット」と呼ばれる板状の装置をワイヤーに通した矯正器具を使用して歯並びを改善していくものです。ワイヤー矯正には、歯の表面に装置をつける「表側矯正(ラビアル法)」と歯の裏に装置をつける「裏側(舌側)矯正(リンガル法)」の2種類があります。

 

2-1:表側矯正(ラビアル法)

表側矯正とは、歯の表面に矯正器具をつけて歯並びを治す方法で、日本では最も治療実績が長いとされています。人から装置が見えやすくなるので、装置が見えても気にならない方におすすめです。

 

ブラケット・ワイヤーともに金属のものがオーソドックスではありますが、ブラケットを白いセラミックやプラスチックに、ワイヤーを白いワイヤーにすれば、目立ちにくくすることも可能です。

 

2-2:表側矯正のメリット・デメリット

表側矯正には、次のようなメリット・デメリットがあります。

 

<メリット>

  • 他の矯正治療に比べて費用が安価
  • 舌の動きの邪魔にならないので食事がしやすい
  • 発音に影響しにくい

 

<デメリット>

  • 矯正装置が外から見える
  • 装置が歯の表面についているので唇が閉じにくい
  • 口の中の粘膜に装置が触れて傷がつき、口内炎になることがある

2-3:裏側(舌側)矯正(リンガル法)

裏側(舌側)矯正とは、歯の裏側に矯正装置をつけて歯列を矯正する治療方法です。奥歯を起点に歯を奥に引っ張るので、出っ歯や受け口の治療に向いています。装置をつけていることが人から気づかれにくいため、「装置が人から見えるのがいやで矯正治療をためらっていた」という方にもハードルが低いのではないでしょうか。

 

裏側(舌側)矯正は、アナウンサーやモデルのほか、講師業や接客業など人前に出るお仕事をされている方におすすめです。

2-4:裏側矯正のメリット・デメリット

裏側矯正には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

 

<メリット>

  • 外から矯正装置が見えにくいので、人に気づかれにくい
  • 歯の表面のエナメル質が傷つかない
  • 前歯が引っ込みやすいので出っ歯や受け口の方に向いている

 

<デメリット>

  • 装置が舌にあたるので違和感をおぼえることがある
  • 装置の汚れが見えにくく、お手入れがしにくい
  • 装置が舌にあたってしゃべりづらいことがある
  • 表側矯正よりも費用が高い

3 マウスピース矯正とワイヤー矯正の違いをまとめてみよう

マウスピース矯正とワイヤー矯正の違いをまとめると、以下のようになります。

 

マウスピース矯正 ワイヤー矯正
装置 透明のマウスピースを使用 板状のブラケットをワイヤーに通した装置を使用
目立ちにくさ 目立ちにくいが、よく見るとわかる 表側矯正は目立つが、目立ちにくい装置も使用できる

裏側矯正は目立ちにくい

違和感 少ない 多少あり
着脱のしやすさ いつでも着脱できる 自分では取り外せない
歯磨きのしやすさ しやすい しにくい
治療期間 数ヶ月~3年程度

(症状により異なる)

2~3年程度

(症状により異なる)

金属アレルギー プラスチックのため心配なし 装置に気をつける必要あり
メリット 目立たない

取り外しが自由

食事や歯磨きがしやすい

どのような歯並びでも対応可能。

自分で着脱する必要がない

デメリット 歯を大きく動かす必要があったり、歯と歯が重なっていたりするときは不適応

1日17~20時間以上装置をつけていることが必要

食事後のお手入れがしづらい

装置が口の中の粘膜にあたって、口内炎になることがある

治療費 60~100万円前後 表側矯正:60~100万円前後

裏側矯正:100~140万円前後

 

「マウスピース矯正を受けたいけれど、歯並びががたついているので受けられない」という場合でも、ワイヤー矯正である程度歯並びを整えた後でマウスピース矯正に切り替える「ハイブリッド矯正」という方法もあります。

 

使用する矯正装置はもちろん、お手入れや着脱のしやすさ、治療期間、費用感など、それぞれで異なりますので、自分のお好みやご職業、予算などさまざまな角度から検討した上で、どちらを選ぶかを決めるとよいでしょう。

 

もし「どちらにしようか迷う」「矯正治療が続けられるか不安だ」という方は、治療前のカウンセリングで相談してみてくださいね。

4 まとめ

美しい歯並びを手に入れるには、ある程度の年月がかかります。矯正治療の効果を高めて1日でも装置をつける期間を短くするには、自分に合った治療方法を選ぶことが何よりも大切です。

 

上記を参考にしながら、自分に合う方法がどれなのかを探してみてください。わからないことや不安なことがあれば、通っているもしくは通う予定の歯医者さんに相談してみてはいかがでしょうか。

この記事が気に入ったら
「評価」ボタンを押してください!

★★★★★

評価する

24時間web予約
pagetop
WEB予約
クリニックを探す